ビオトープ造り

ホタルプロジェクト 1

ホタルプロジェクト 報告第2弾

2009年4月、卒園生からの1通のお便りが届きました。

緑の作文コンクールで最優秀賞をいただいたという、うれしい報告でした。

その内容が、幼稚園での川づくりとホタルに関するものでした。

以下にその作文をそのまま掲載させていただきます。

(中学校の部 最優秀賞)

ビオトープ

牛田中学校 2年 N・H

 先日、弟の通っている幼稚園のビオトープでゲンジボタルが見つかりました。近隣の森から飛んできたそうです。しかも、そのゲンジボタルは、自然のホタルなのです。2004年までは幼稚園のビオトープには、ゲンジボタルがいました。それは、“ホタルプロジェクト”という取り組みで、春、ビオトープに幼虫を放流していたからです。しかし本来、静かで子どもたちが踏み荒らさない環境を好むホタルにとって、子ども達のいるにぎやかな環境はなじめる場所ではなく、だんだんと姿を見せなくなっていました。そのため、2005年には放流をやめ、新しい“ホタルプロジェクト2”として、自然のホタルが戻ってくるようにと願いながら、幼稚園の周囲の川を清掃し、ホタルの住みやすい環境作りを行ってきたのです。その結果、3年後、ついに周囲の川から自然のホタルが出てきて、そのホタルが幼稚園のビオトープにまで飛んできて、子ども達が見つけることとなったのです。

 そのビオトープは、私が幼稚園の卒園制作で作ったものです。それを作っている時に、私は初めてビオトープという言葉を聞き、それが何を意味するのかも分かりませんでした。ただ、先生に言われた通りに、川となる場所を掘り、その土を砂場に持っていくという作業をくりかえしました。そして、自然に近い状態になるように、花や草を育て、おたまじゃくしやメダカなどの身近な生物が住めるような川を作ったのです。

 そのビオトープでホタルが見つかったことそして、弟たちが自然とふれあいながら遊んでいることを聞き、作ったときには何も考えなかったけれど、それがとても奥の深いものだと考えるようになりました。

 ビオトープとは、ビオ(生き物)のトープ(住むところ)の合成語です。ドイツの生物学者ヘッケルが1世紀ほど前に人々に呼びかけた言葉です。その言葉には二つの意味があります。

 1つ目は、自然風景をより自然に近い形に復元することです。最近、環境問題がよくニュースに取り上げられています。しかし、現在では、植物や生物の採取を規制するだけでは解決することが難しくなっています。ですから、自然を人工的に復元する作業、つまりビオトープが必要となっているのです。

 2つ目は、体験教育としての役割を果たすことです。地域の川やため池が消え、豊かな自然環境が失われ、今までどこにでもいた生物や植物とふれあうことが難しくなってきています。しかし、ビオトープがあることで自然とふれあい、自然の楽しさ・美しさ、ときには危険をも学ぶことができるのです。このように、自然とふれあい、学んでいくことで、自然環境を考え、ホタルプロジェクトのような取りくみへとつながるのです。

 私は、自分達が作ったビオトープから色々なことを学びました。一度こわしてしまった自然を完全に元の姿にもどすことはできません。しかし、今残っている自然をまもり、少しずつでも増やしていけるよう、これからも自然環境について考え、行動していきたいと思います。

5歳の子どもに蒔かれた小さな ビオトープ作り体験 という  が

小学校・中学校生活という多感な時期を経て発芽し、

いのちや自然環境を大切にする思いや行動という

 芽 が育ってきていることに大変感激しました。

環境活動が声高に叫ばれている中でも 

自然環境破壊の危機的状況は続いています。

この小さなは、これからの多くの出会いの中で やがて葉を茂らせ、

花を咲かせ、実る時が来るのではないかと希望の光を投げかけています。

大人や消費者に向けたエコ も もちろん大事ですが、

未来を担う子ども達の、いやもっと奥の

命の大切さを伝えていくことが幼児教育の使命だと実感しました。

 

目に見える、すぐに答えの出る技術や能力を伸ばすことが目を引き、注目される中で、

幼児期の子どもたちに何を手渡すべきなのかを 再確認させてもらいました。

N・Hさん ありがとう!

卒園生からの声、いつでもお待ちしています!!

ホタルプロジェクト 報告第1弾

梅雨のど真ん中、園庭で遊んでいる時に

こんな虫を見つけたよと 見せてくれました。

なんと、それはゲンジボタルではありませんか。

発見したのは ひつじ組のあきひろくん。

ここで見つけたんだよ!と案内してくれました。

クジャクのカラカラの小屋の前の

川と池のあたりを ぼうけんの森の方から

とんできたそうです。

ゲーンス幼稚園の川には、2004年度までゲンジボタルがいました。というのも、春に幼虫を放流していたからです。でも、放流はゲンジボタルにとっていい迷惑でした。もっと静かで、子ども達が踏み荒らさない川辺がいいに決まっています。そこで、2005年度からは放流をやめ、地域の川にホタルが戻ってくるようにと、キャンパス内のせせらぎの清掃をしたり、ホタルの学習会を開いたりしてきました。それを、ホタルプロジェクトパート2として、地域の自然環境を見守っていました。放流をやめたら、当然園庭ではホタルの姿を見かけなくなりました。やっぱり、ホタルには棲みにくい空間だったようです。でも、いつか、放流していない天然のホタルがまた戻ってきてくれるといいなと思い、ホタルプロジェクトパート2を立ち上げたのですが、わずか3年で ホタルが帰ってきてくれるなんて!

 

ホタルプロジェクトパート2

アドバイザー

広島自然の会 副会長:ホタル博士の守屋氏

広島ビオトープ協会 会長 梶岡氏 (株)カジオカLA

広島フィールドミュージアム 菊間馨氏

 

初夏の夕暮れ、ホタルの舞い飛ぶ幼稚園の庭・・・

そんな光景を夢見つつ 川づくり、森の幼稚園の取り組み

ホタルの放流・・と 様々な活動を展開してきました。

(ホタルプロジェクト 1 の様子はこの写真をクリック!)

そして、実際に2002年度から2004年度まで

ホタルの舞を 観察することができました。

 

2004年度には、夜8時から9時の間、

園庭を親子に開放してホタル観察会も行うことができました。

しかし・・・

ホタルが飛ぶ幼稚園が本当に素敵なのでしょうか?

それを望んでいるのは 人間だけで、

ホタルにとっては、いい迷惑なのではないでしょうか?

そこで!

人工の川、ビオトープに無理やりホタルをすまわせるのではなく、

子どもたちが生活する地域の本当の川を

ホタルがすみやすい川に戻すこと を目標に

広島女学院ゲーンス幼稚園 ホタルプロジェクトパート2

を 立ち上げました。

2005年7月9日土曜日 ファミリーデイの日に

第1回調査隊(写真の拡大 クリックしてみて!)

を組んで大学キャンパス内の本当の川に出かけました。

ホタルがすめる環境がどうか?

カワニナがすんでいるかどうか?

どんな生き物がすんでいるのか?

7月だというのに ひんやり冷たい川に入り込んで、

草や岩の陰にどんな生き物がいるか 調査しました。

 

むかしは、ゲンジボタルがすんでいたと

地域のお年よりからきいていましたが、

なぜいなくなったのだろう?

と、お父さん方と話し合いながら

生き物調査に夢中になってすごしました。

が、ゲンジボタルの餌となるカワニナが

まったく確認できません・・・

見つけたのは

幼稚園の川にすんでいる アメンボとは違ったかたちの

こんなアメンボ と

ヤゴ!

これは シオカラトンボかなあ?

ヤゴだけで見わけるのはむずかしいことですが、

ヤンマの仲間ではないようです。

それから・・・

サワガニさん

他にも色と形が違った カニも みつけました。

写真が撮れたのはこの種類だけでしたが。

そして・・・

こんな 水生昆虫?幼虫も見つけました。

ピンぼけで、これが精一杯なんですが、

この虫は いったい誰でしょう?

夏休みの宿題にしておきます。

 

生き物観察を終えたあと

幼稚園の川で繁殖しているカワニナ20匹と

モノアラガイ10匹を放流しました。

わずかな数の放流ですが、

時間とともにカワニナやモノアラガイの数が

増えていくようだったら、

この川には ホタルが すめる可能性が

高くなったことになります。

(第1回ホタル調査隊 の メンバーです!)

まだまだ、ホタルが本当にすめる

つまり、放流なんかしなくても

ホタルの里になるためには、

いろんな条件が整わなければならないのだと思います。

 

いろんなことを学びつつ、牛田山の川が

ホタルのすみやすい川になって、

ホタルの里になるといいなと思います。

これからも継続して、調査を続けてまいります。

 

みなさまからのご意見、感想、アドバイスなど

お寄せいただければ嬉しいです。

gensuyo@gaines.hju.ac.jp

 

ホタルプロジェクトパート2 

第2弾 カワニナ調査隊

2005年11月26日(土)

ファミリーデイプログラムの中で、

カワニナ調査隊を組んで

広島女学院牛田キャンパス内の

川を散策&調査しました。

なかなかカワニナが見つからない・・・

と、あきらめかけていた時 一番最初に見つけてくれたのが

Uファミリーでした。

大学のソフィア館前のせせらぎの岩にしがみついていた

カワニナを見つけて記念撮影!

その後、卒園生のN君も 発見!!

この日は、全部で3匹のカワニナを確認しました。

そろそろ冬を迎えるこの時期に

3匹のカワニナを見つけたということは、

川全体ではおそらくもっとたくさんのカワニナがいるだろう!

ということがわかってきました。

ということは・・・ホタルの幼虫が棲める

可能性があるということです!

見つけたカワニナはどうしたかって?

もちろん、記念撮影をした後はすぐに水の中に帰してあげました。

次回は、もっとたくさんカワニナが増えているかな?

 

ホタルプロジェクトパート2 

第3弾 めだか池をつくろう!

第3弾は2006年3月4日(土)

めだか池をつくろう!と題して、

カワニナや他の水生生物が棲みやすい環境を

つくってあげようと めだか池隊を組んで

川に出かけていきました。

まずは お父さん達で 川辺を観察しやすくするために

草刈をし、ゴミを拾って(大量のゴミがありました)

川の一部を近くの石を運んできて堰止めて

ちょっとしたダム、めだか池をつくりました。

そこに、大田川水系のクロメダカと

ゲーンス幼稚園で繁殖しているカワニナを放流しました。

広島自然の会 副会長:ホタル博士の守屋氏と

広島ビオトープ協会 会長 梶岡氏から

ゲンジボタルの幼虫もわけていただき

一緒に放流しました。

これが、めだか池隊メンバーです!

これから、この池の生き物達はどんな暮らしをし

どんな生き物が棲みついていくのでしょう。

ここから先は、自然の姿にまかせ、

見守っていきたいと思います。

また、調査隊を組んで その後の様子をしらべ、

みなさんにもお知らせしますね!

ホタルの里になる日が来るかなあ?

 

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