3月

3月を迎える前に、サクラ(桜桃)の花が咲きました。

 つい1ヶ月前には大雪に見舞われ、寒い冬はまだまだ終わらないと思っていたところ、いつのまにか春の訪れは足早にやってまいりました。園庭の花壇に赤い色が見えるので近づいてみると、このところの暖かさで急にチューリップが咲き出したり、川の中に見慣れないゼリー状のぶくぶくしたかたまりがあるので何かと思えば、どこからかカエルがやってきて卵を産み付けたりと、自然の変化に敏感な動植物たちがいち早く春を知らせてくれています。

 いよいよ3月。年度末を迎えました。入学、進級、送別など喜びと寂しさが交錯した気持で 一日一日を惜しみながら過しています。

3月の予定

 1日(土) ファミリーディ 事前に案内ができなくてごめんなさい。 
 3日(月) あゆみの会
 4日(火) お誕生日会 おひなさまランチ
 6日(木) 年長組 被爆体験者の方のお話を聴きに平和公園へ出かけます。アオギリの木の下で。

ファミリーディ 人形劇『泣いたあかおに』

演出:菊野秀樹

10日(月) 身体測定
11日(火) お弁当 最終日 1、2、3年間のお弁当作りありがとうございました。
13日(木) おわかれ会 オリエンテーリングと昼食会
14日(金) 母の会有志 窓拭き  
18日(火) 卒園式 10:00〜11:30
19日(水) 終園日 11:00降園 

イベント情報に卒園式のご案内を掲載しています。

 

ひこうきぐも

2、3月合併号

年長

お昼のおたかづけのあと

「あーあ、おれつまんない。

おれ 5じまで あそびたいよ。

あーあ、おとまりかいのときは 

よかったなー。」

様々な思いを胸に 卒園していくんですね。

子どもたち、楽しいときを ありがとう。

 

遊びは子どもの総合芸術

 前回まで、保育室の中のおもちゃや時には道具をとりあげて子ども達の遊びの世界をお 伝えしてきました。すぐれたおもちゃは子どもの豊かな想像力や創造性を引き出してくれ ることにお気づきいただければうれしく思います。最終回の今月は、こうしたおもちゃ 素材に囲まれて遊びこんできた卒園間近の年長児たちが、おもちゃの枠にとらわれず、あ らゆる素材や、空間や人間関係を活用して展開している遊びを紹介することにします。

  3学期に入って、年少組や年中組の子ども達が、年長組の保育室の前にずらりと列を作 って並んでいる姿を毎日のように目にします。実は、その子達は年長組の子ども達が経営し ている様々なお店に来てくれたお客さんたちです。今までに登場したお店やレジャー施設 を列挙すると…おすしやさん、レストラン、おばけやしき、音楽会、くじびきや、携帯ショ ップ、カメラ屋さん、似顔絵屋さん、こどもの店、人形劇団などなど。そこでは、子ども 達が ひらめき、考え、話し合い、ぶつかり、けんかしあい、譲り合い、手分けし、分担し、見 立て、書き、描き、切り抜き、張り合わせ、構成し、飾り付け、演出し、招き、宣伝し、走り、もぐ り、歌い、演じ、接待し、気をもみ、謝り、感謝し、反省し、再挑戦し、泣き、笑い、怒り、歓びな がら、幼稚園生活で得た もてるものすべてをぶつけて自分達の思いを遂げるために生 きています。(遊んでいる と表現すると そのこどもたちの抱えているものが伝わりに くいので…。)

  子どもの遊びのテキスト(学術書)には『ごっこ遊び』とか『構成遊び』、『運動遊び』 などと定義づけ、分類されていますが、生き生きとした子どもたちの遊びはそんな枠をは るかに越えたものです。これはもう、総合芸術としか表現できません。この、芸術家がもう すぐ卒園します。幼稚園でやることはすべてやり尽くした満足げな表情で。どうぞ、この 天才芸術家達をこれからも大切に見守ってやってくださいね。

おばけやしきごっこ

 

ともだちの木

 3学期の“ぼうけんのもり”はとても歩きやすく、また、子ども達も歩きなれてきて、毎日のよ うに“ぼうけん”を楽しんでいます。ただ、散策していても様々な発見や感動があるのですが、五感 をたっぷり研ぎ澄ましていのちの息づかいや自然の姿に気付いて欲しいという願いと、『自然の中 ってこんなに楽しい』と身体中で感じ取って欲しいと思い、ゲーンス幼稚園オリジナルの“ネイ チャーゲーム”も取り入れています。 もりの中に隠れた保育者を友達と協力して探し出す“もりのかくれんぼう”や保育者から出さ れた様々な指令を時間内に見つけて“ビンゴ”を完成させる“もりのビンゴ”など。子どもたちは今まで目に留めなかったものに目を留め、耳を澄まし、手で探り、匂いを確かめています。

 そして、卒園前に仲良しの友だちともりの中から一本だけ 自分達のお気に入りの木を探し、その木を『自分たちの木にしちゃおう』という“ともだちの木”探しもする予定です。幼稚園を卒園しても、友だちと共有する自分たちの木が“ぼうけんのもり”にずっといてくれて、見守っていてくれる。いつ会いに来てもいいし、今は木の種類もわからないけど、学校で理科の勉強をしたり、図鑑が一人で読めるようになったら『自分たちの木が なんていう種類の木か調べに来てね。』 と宿題も出しています。始まりはあっても、終わりのないスケールの大きなプロジェクトです。“と もだちの木”に負けないように でっかく育て!

 

 

 

年中

お茶会

お茶席に招かれて貴重な経験をさせていただいた年中さん。ご近所にお住まいの卒園生のご父兄から、是非子どもたちに経験させてあげたい、とお声をかけていただき今回のような会を持つことができました。

 

 うさぎ組、ひつじ組各クラス2グループづつに分かれ、1グループが15,6人でお茶の手ほどきをいただきました。まずお茶室に入る前にきれいに手を洗ってそれからお部屋に通していただきました。靴を脱ぐときに、きちんと靴をそろえている子もいて、ちゃんと場の雰囲気を読んでいるのだな、と感心させられてしまいました。

 

みんなそろって、正座をすることは初めてで少しドキドキもしていましたが、お茶の先生の優しい雰囲気に、心和やかに参加することができました。掛け軸や、花器、生けてあるお花、屏風や茶室の天井の説明も聞きながら、一人一人にまず、とてもかわいらしいお菓子を出していただきました。「どうぞ召し上がれ。」と進めていただき、「かわいいね、きれいだね。」と食べるのがもったいないようなきれいなこんぺいとうや、干菓子をいただきました。「先に、甘いお菓子を食べておくとお茶がおいしいのよ。」とお話を聞きながら目の前でお茶をたてているところを見ることができました。

 

 おさじで緑色の粉をすくって器へ・・・「それが抹茶なんでしょ!」「そうよ。」そしてお釜からすくったお湯を器に入れ「シャカ、シャカ、シャカ・・・」とても心地よい音が響きます。子どもたち一人一人に本物の器でお茶を出してくださいました。先生のまねをしながら器を手に取り、手のうえで器を回してからいただきました。「おいし〜い!」「あまいね。」「おかわりくださ〜い!」子どもたちの感想に大人のほうが戸惑ってしまう程で、ちゃっかりおかわりまでいただいてしまいました。お友達と一緒に本物に触れる経験は、ちょっぴり苦いはずのお抹茶もおいしく、甘い味に感じさせる経験となったのでしょうね。

屏風の鑑賞。

 見せていただいた屏風は 日本の昔の幼稚園の絵でした。袴姿の先生が、日傘をさしてお散歩にでも出かけているのでしょうか? 子ども達もみんな和服で、せった、下駄、ぞうり、はだしの子もいて、先生のあとを一列になって歩いている様子は、子ども達にとっては見慣れないものでも、どこか心あたたまるものでした。

茶室の桜の天井を見あげ鑑賞する子どもたち。

 

年少

いろんなきもち

写真はすべて本文とは関係ありません。

 『わぁーん』園庭から大きな泣き声。飛んでいってみるとAくんが乗っているツインタクシーをBくんが後から引っ張りながら二人とも大泣き。どうやらツインタクシーの取り合いらしい。
保:『どうしたの?Bくんも乗りたいんだね。はら、後ろが空いてるから順番に運転手さんになったらどう?』
A:『だめだー!おまえはあっち行け!』

B:『………』(涙を流しながらこらえている。)
Aくんは運転席から絶対に降りようとせず、激しい口調でBくんに向かって叫んでいた。するとBくんはツインタクシーから手を離し、目の前にあったスケーターに乗ってぴゅ―んと行ってしまったのです。
保:『あーBくん行っちゃったね。でもBくんも運転手さんになりたかったんだと思うよ。あとでかわってあげてよ。』
Aくんは少し落ち着きを取り戻しながらも 『だめだー あいつは(乗せてあげなくて)いいんだ!』とかたくなになっていた。
 しばらく保育室にもどり離れて様子を見ているとAくんは大好きなツインタクシーに乗っているのにちっとも楽しくなさそうなうかない表情。
保:『Aくん、もうたくさん乗ったからBくんにかわってあげる?』
A:『………』
保:『先生が一緒に行ってあげようか?』
A:『う、うん』
この時Bくんは他のお友だちと砂遊びをして気を紛らわせていましたが…
保:『AくんがBくんにかわってあげるって言ってるんだけどツインタクシーに乗るかな?』
B:『うん!』それを聞いて少し離れた所で様子を伺っていたAくんは、照れくさそうにBくんの側へツインタクシーを乗りつけ、交代してあげた瞬間、Aくんの顔にやっといつもの笑顔が戻ったのです。
けんかもたくさんするけれど、いろんな気持を味わいながら、相手の気持ちにも気付き、友だちの喜びを自分も喜べるようになりつつあるんですね。数多くの衝突を繰り返しながらも心の成長を着実に遂げている年少さんたちの姿に、安心して次のステップへ『いってらっしゃい!』と送る季節を迎えました。

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