人文学部 国際英語学科 ニュース

国際英語学科の新しい留学「グローバル・アウトリーチ・プログラム」(以下、GOプログラム)が、いよいよ2023年夏から始まります。
すでに、参加予定の学生7名は留学に向けて準備を始めています。先日、留学先のオカナガン・カレッジ(カナダ ブリティッシュ・コロンビア州)のスタッフ、サクラ・ヒラタ氏が来日して広島女学院大学に来てくださり、学生たちと交流する機会を設けました。

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GOプログラムは、8月から12月までの約4ヶ月の語学研修プログラムです。カレッジ附属の語学施設で英語を学び、ホームステイでホストファミリーと一緒に生活をします。さまざまな課外活動の機会もあり、現地の学生や他の留学生と交流することができます。1年生からでも、どのレベルの英語力でも参加可能と、学生それぞれのめざす目標に合わせて学ぶことができます。

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現地スタッフとの交流会では、学生たちが留学生活に備えてさまざまな質問をし、真剣な様子で話を聞いていました。海外体験は初めてという学生もいれば、親元を離れての生活が初めてという学生もいます。学生たちは皆、ワクワクする気持ちで留学を楽しみにしていますが、それと同時に不安もつきません。今回、学校での授業の様子、カナダでの生活のこと、ホームステイ先での生活についてのポイントなどについてヒラタさんから話を聞き、随分安心した表情が見られました。何より、フレンドリーで優しいスタッフと打ち解けて、随分気持ちも軽くなった様子です。

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GOプログラムの今後の準備の様子や留学中の様子は、随時この学科ウェブニュースでお伝えしていきます。どうぞお楽しみに!

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As everyone knows, the G7 summit came to Hiroshima last weekend. The amazing volunteers helped to make things run smoothly and RE, a 4th-year student in the Department of International English, was one of those who contributed greatly as a volunteer interpreter.
(G7サミットが先週末この広島で行われました。サミットを支えた多くの人たちの中に、学生ボランティアがいます。今回、このような大きな国際会議で学生通訳ボランティアとして、国際英語学科の4年生のREさんが活動しました。その様子を報告してもらいたいと思います。)

チャレンジしようと思ったきっかけを教えてください。

 広島でのG7サミット開催が決定した時から、広島で生まれ育ち、広島で英語を学ぶ学生として何か関わることはできないかと探していた折に、学内でのG7学生通訳ボランティア募集を見つけて応募を決意しました。

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G7広島サミットの取材拠点、国際メディアセンター

どんなところにやりがいや面白さを見出せましたか。

 普段関わることのない方々と交流することができた点です。私は広島空港と国際メディアセンターにて通訳のボランティアを行いました。通訳として英語圏の方々と会話できたことはもちろんですが、G7サミットのボランティアだったからこそ国内外のメディアの方々やサミットに関わる政府機関・企業の職員の皆様、そして県内から集まった学生ボランティアたちとも交流することができました。この機会でなければ一生会うことがなかった方々と出会うことができたのは、このボランティアに参加した大きなやりがいであり面白さであったと思います。

今回のチャレンジを通して成長したところは?

 度胸だと思います。以前は間違った英語を話したり、言葉が出なくなることが怖くて英語圏の方々とお話をすることに漠然とした不安感を持っていました。しかし、日本語がわからず不安な顔で道を尋ねにやってくる英語圏の方々を見て奮い立ち、自身の英語の拙さなど一切忘れて懸命に道案内をしました。回数を重ね、他の学生ボランティアのみんなからより適切な言い回しを学びながら、活動終盤にははじめよりもよりうまく道案内ができるようになっていました。
 ロンドンからいらした女性への案内を終え "Have a nice day. (良い1日を)" と声をかけると、 "You too!(あなたもね!)" と手を振ってくださった彼女の笑顔を今でもよく覚えています。この経験から間違いを恐れず挑戦を重ねれば能力は必ず上達することに気がつき、今後は英語だけでなくそれ以外のことにも自信を持って果敢に挑戦したいと思うようになりました。

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広島空港でも通訳のボランティアを行いました

今回の経験を経た今、今後の目標や将来のキャリアについてはどのように考えていますか。

 将来は客室乗務員をはじめとした航空関係の仕事に就きたいと考えています。だからこそ広島空港でのボランティアは私にとって大変有意義な時間でした。航空業界の皆様が働く姿を間近で拝見し、この業界で働くことへの想いがさらに強くなっています。そのためにも大学卒業までに英語を使う機会をより増やしたいと考えています。具体的には、今回の通訳ボランティアのように英語を用いたボランティア活動に積極的に参加したいです。英語力と人間力のさらなる向上をめざして残りの大学生活を過ごしたいと思います。

最後に、高校生や大学生へのメッセージをお願いします。

 もしほんの少しでも興味を持っていることがあるならば、ぜひ挑戦してみて欲しいです。私が今回のボランティアに挑戦したのも崇高な理由があった訳では決してなく、単に「通訳ボランティアって何だか面白そう」という軽い動機でした。しかし活動を通して、参加決定当初は考えもしなかった数々の体験をすることができ、自身の視野を広げることもできました。初めの一歩を踏み出す時は誰でも不安になるものですが、どんなことにも失敗はありません。だから恐れる必要もないのです。物事を始めるために必要なのはほんの少しの好奇心と勇気だけです。みなさんにはたくさんの挑戦と経験をして、喜びと学びのあふれる人生を歩んでほしいです。

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1日のボランティア活動を終えて--充実感でいっぱいの笑顔です

RE had a really valuable experience using her English ability to help overseas visitors and Hiroshima, too. It is great to see our students being so active and taking on new challenges, and that is something we encourage greatly in the Department of International English.
(REさんにとって、英語を使って海外からの訪問者をサポートするこの経験は貴重なものとなりました。彼女ようにそれぞれの学生が、国際英語学科での学びを通して英語力を身につけ、好奇心や興味を広げ、さまざまな挑戦ができるようになってもらいたいと思います。)

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In our KEG department, students are awarded STARS certificates based on scores in public English tests such as TOEIC or EIKEN. TT has been very active, both on and off campus, and we were delighted to be able to present her with a 5 STAR certificate this spring. It is important for each individual student to find ways of study that fit their own personality and TT has certainly done just that. We thought it would be interesting for everyone to hear about the ways she has had fun with English during her time at HJU.
(今回のウェブニュースは、国際英語学科のSTARSプログラムで英語の目標を達成した学生の紹介です。TTさんは、学内外でもさまざまな機会にチャレンジを続けながら自己成長をめざし、今回STARSで最も高い目標の5スターを達成しました。自分なりの勉強方法を見つけて実践してきた英語の勉強法について聞いてみました。)


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TOEICに向けてよく行っていたのは、通学時間や寝る前の数分で頻出単語に目を通すこと、またその他の時間では大好きな海外ドラマや洋画を見て過ごすことです。特にオフィスのシーンが多いドラマを英語字幕で視聴することで、楽しみながら語彙力とリスニング力のトレーニングができ点数の大幅アップにも繋がったので、これが自分に合った勉強法だったのかなと思います。

机に向かう勉強はあまり好きでは無いので、ボランティア活動で英語を使う機会を作ったり、外国人の友人とのSNS上でのやりとりを通して楽しく英語に触れるようにしています。「やらなきゃ」「努力している」と思わず、自分自身が楽しめる方法を継続していくことを大切にしています。


TT is going to put her English skills to good use at the Hiroshima G7 Summit being held in May. She will work as an omotenashi volunteer and she has already been interviewed by NHK, Chugoku Shimbun and TSS. We're sure that visitors from overseas will feel especially welcome when they meet TT.
(TTさんは、G7広島サミットで「おもてなしボランティア」として活動することになりました。本番に備え、日々研修を受け
ながら準備の真っ最中です。その様子は、さまざまなメディアでも取り上げられています。サミットで広島を訪れる皆さんが、TTさんの歓迎を受けて良い時間を過ごしてもらえればと願います。)

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英語系

We are very fortunate to have another new teacher in KEG from this spring. We have been joined by Atsushi Awazuhara and it has been great to get to know him over the first few weeks of the semester. His academic interest is theology, and he is another friendly face on campus. We asked him to tell us a little more about himself.
(この春、国際英語学科に加わったもう1人の教員をご紹介します。神学を研究分野とされる粟津原先生は、前回ご紹介したDuró先生同様、とても話しやすい雰囲気のフレンドリーな先生です。そんなお人柄が伝わる趣味のお話を、粟津原先生に伺いました。)


コロナ前はバックパッカーを趣味としていました。イランやインドなど、西〜南アジアがお気に入りです。地元の人と一緒にバスや列車で移動するのですが、国によっては空の国内線が充実してきていて、経済の変化を感じることもあります。食事も地元の人が集う食堂や屋台が性に合っています。インドの屋台で激しい下痢をしたときは日本から持参した薬がまったく通用せず、現地の薬局で処方してもらった薬で治りました。「郷にいれば郷に従え When in Rome, do as the Romans do.」ということでしょうか。

旅に「まさか!」はつきものですが、楽しいハプニングもあります。イラクとの国境に近いクルディスターン州をガイドの車で走っていた時のこと。前方のマイクロバスが停車して、乗客が降りてきました。ガイドが「クルドだ。ダンスが始まるよ」と言うので我々も出ていくと、大音響のなか腕を掴まれてダンスの輪の中に。見よう見まねで踊り、周りの人たちと一緒に雄叫びをあげました。いやー、実に楽しかった。

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It is often the journey that counts more than the destination - dancing with some Kurdish friends along the way

クルド人は国を持たない世界最大の民族で、トルコ・イラク北部・イラン北西部・シリア北東部等、中東の各国に広くまたがる形で分布しています。ニュースではテロとの関連で語られることもありますが、私が出会ったクルドはとびっきり親切な人たちでした。このバスの一件のあとも、ピクニックをしていた別のグループに誘われて、一緒にバーベキュー・ランチを楽しみました。

そもそもイランの人たちはとても親切です。「旅人をもてなすのがムスリムの務めであり、名誉なのだよ」と言われたことがあります。シルクロードを行き交う旅人を、何千年にも亘って迎えてきたからでしょうか。旅人をもてなす話は、聖書にもしばしば登場します。

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Say "cheese" - Haru and friend!

コロナで旅には行けなくなりましたが、そのころから柴犬ハルと暮らすようになって、我が家の半径3キロ四方の路地や公園に詳しくなりました。猫が立ち寄る所やニホントカゲの住処など、いままで見えていなかった場所に連れていってくれます。地の果てのように遠くまで出かけるのも楽しいですが、どこにでもちょっとした発見や驚きはあるものです。


All in KEG wish a warm welcome to Awazuhara sensei.

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英語系

The Department of International English is fortunate to welcome two new teachers to our ranks this April. We'll leave them to introduce themselves, so here is the first of our new staff members.
(国際英語学科にこの4月に新たに加わった新しい教員をご紹介します。)


Hello Everyone! My name is Ágota Duró, and I have been a new member of the Department of International English since April. It is a pleasure to teach at Hiroshima Jogakuin University and I am looking forward to meeting you on campus!
皆さん、こんにちは!今年の4月から国際英語学科に教員として新しく入りましたドゥロー・アーゴタと申します。 広島女学院大学で教えられることをとても嬉しく思います。皆さんに大学でお会いできることを楽しみにしています!

I am from Komádi, a small town in the eastern part of Hungary. I have always been interested in learning foreign languages and history, and during my undergraduate studies I majored in English at the University of Debrecen and later specialized in American Studies. I took Japanese as an elective course as a graduate student and had the opportunity to study at Hirosaki University in Aomori Prefecture from 2010 to 2011, during which I immersed myself in the local culture, became a part of the local community, and gained fluency in Japanese. My favorite place in Hirosaki was the Hirosaki Castle Park, which is undoubtedly the most beautiful cherry blossom viewing spot in Japan where I could get a glimpse of one of Japan's oldest castles surrounded by various kinds of cherry trees against the backdrop of the snow-covered Mt. Iwaki.
私はハンガリー東部にあるコマディという小さな町の出身です。 私は以前から外国語と歴史を学ぶことに興味があり、大学生時代にはデブレツェン大学で英語を専攻し、修士課程に入ってから北米研究を専攻しました。デブレツェン大学では日本語を選択科目として取り、2010年から2011年まで青森県の弘前大学に留学する機会を得ました。その時、津軽の文化に触れ、現地の方々と交流し、 日本語も話せるようになりました。弘前で一番好きな場所は弘前公園でした。弘前公園は、雪に覆われた岩木山を背景に、さまざまな種類の桜に囲まれた日本最古の城の1つを垣間見ることができる、日本で最も美しい桜の名所だと思います。

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Standing in front of Hirosaki Castle when the cherry blossoms were in full bloom (in 2011).

While studying in Hirosaki, I attended a seminar on War Literature where I read Barefoot Gen, a famous Japanese manga written by Nakazawa Keiji. This experience provided me with the opportunity to think about the atomic bombing from a humanitarian perspective for the first time. After reading the story of the six-year-old Gen, who had witnessed the death of his father and two of his siblings right in front of him immediately after the atomic bomb had been dropped, I began to think about the preciousness of the peaceful world more profoundly, something which I had taken for granted before.
弘前に留学していた時に、戦争文学という授業で中沢啓治作の『はだしのゲン』という有名な漫画を読んだことが、原子爆弾投下を初めて人道的な立場から考えるようになったきっかけです。父親と兄弟二人を目の前で失った6歳のゲンの物語を読み、当たり前だと思っていた平和な世界の尊さについて深く考えるようになりました。

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Receiving my Master's degree at the University of Debrecen (Hungary) in 2012.

After spending one year in Japan, I returned to Hungary and obtained my Master's degree in American Studies in 2012. Given my strong determination to pursue research on the history and the collective memory of the atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki, I returned to Japan in 2013 as a research student at Hirosaki University, and in the fall of 2014, I began my doctoral studies at the Faculty of International Studies, Hiroshima City University, focusing on Japanese civil society activism to advocate for the rights of the atomic bomb survivors residing in South Korea. My supervisor, Professor Robert Jacobs, a prominent and well-known professor at Hiroshima Peace Institute, gave constructive comments on my work on a weekly basis, responded to my questions with a lot of consideration and expertise, provided me with a lot of advice on academia and publishing, and connected me to leading scholars.
日本で1年間過ごした後ハンガリーに戻り、2012年に北米研究の修士号を取得しました。 ヒロシマとナガサキへの原爆投下の歴史と集団記憶を研究したいという強い決意を持っていたため、2013年に弘前大学に改めて研究生として入学しました。 2014年の秋には広島市立大学国際学研究科に入り、博士課程で研究を始めました。研究テーマは、韓国に住む原爆被爆者の権利を救援する日本の市民社会活動についてでした。 指導教員は広島平和研究所所属のロバート・ジェイコブズ教授で、ジェイコブズ教授は毎週のように私の研究について建設的な意見を述べ、専門知識を持って質問に具体的に答え、学界と論文発表・ジャーナルについて色々なアドバイスをくださり、私の分野で優秀な学者とつなげてくださった素晴らしい指導教員です。

Little known is the fact that ten percent of the atomic bomb victims came from the Korean Peninsula, something which I had not been aware of until I began to conduct research on the history of the atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki. My doctoral dissertation covers fields of Peace Studies, Japanese postwar history, and Japanese social history. It offers a new interpretation of the existing Japanese-Korean relations and a new perspective of the atomic bomb narrative. It is important to know that the atomic bombing discourse is not limited to the history of Japanese hibakusha, and the role of the Japanese peace activists fighting for the equal treatment of Japanese and overseas hibakusha must be emphasized.
原爆犠牲者の1割が朝鮮半島出身だったという事実はあまり知られていませんが、ヒロシマ・ナガサキの被爆史を研究するまでは私も在韓被爆者の存在について知りませんでした。私の博士論文は、平和学をはじめとして戦後日本史と日本の社会史の分野に所属し、日韓関係の新しい解釈と原爆投下の物語の新しい視点を導入しています。原爆投下の話は日本の被爆者の歴史に限ったものではないということを認識する必要があると思います。在外被爆者に日本の原爆被害者と同じ権利と手当を求めた日本の市民の役割も強調しなければなりません。

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Receiving my Ph.D. at Hiroshima City University in 2017.

After obtaining my PhD in Peace Studies in September 2017, I began to teach English at various schools while continuing my research, publishing, and giving conference talks as a visiting researcher at Hiroshima City University. I had the opportunity to teach some of the English classes at Hiroshima Jogakuin Junior and Senior High School, too, from 2022 to 2023, which strengthened my teaching skills and helped me gain invaluable teaching experience. Although it took many years of hard work and persistent efforts, my dream of teaching at a Japanese university eventually came true. I am really grateful to my parents who have always supported me from Hungary and have always taught me that we can accomplish great things in life with hard work and persistence.
2017年9月に平和学の博士号を取得した後、広島市立大学で客員研究員として研究、ジャーナルでの論文発表、学会発表を続けながら、英会話講師として教育経験を積みました。2022年から2023年にかけて、広島女学院中学校高等学校でも英語の授業を担当する機会がありました。 何年にもわたる努力が必要でしたが、日本の大学で教えたいという夢が今年ついに叶いました。 ハンガリーからいつも私を支えてくれた両親に本当に感謝しています。両親は、勤勉さと粘り強さによって、人生で大きなことを成し遂げることができると小さい時から教えてくれました。

Finally, I would like to send an important message to the students of HJU: Dare to dream big and never give up on your dreams. You will encounter a lot of hardships along the way, but if you keep doing your best and stay determined, your hard work will definitely pay off.
最後に女学院大学の学生さんに大事なメッセージを伝えたいです:
大きな夢を持ち、夢を絶対にあきらめないでください。その過程で多くの困難に遭遇するはずですが、最善を尽くし、決意を持ち続ければ、その努力は最終的に必ず報われます。


It is wonderful to have Agota with us and thanks to her friendly, outgoing nature, she is already well-known across campus. Coming soon - an introduction to our second new staff member!
(Duró先生はそのお人柄の良さもあって、すでにキャンパスに馴染んでいます。国際英語学科ではもうお一人新しい教員を迎えました。そのご紹介はまた次の機会に・・・。)

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