人間生活学部 生活デザイン学科 ニュース

地域デザイン領域アーカイブ

生活デザイン学会学会誌編集部のI・Iさんから、課外活動についての紹介記事が届きました。積極的な活動の様子をぜひご覧ください。


5月1日、私が参加しているきれいな海づくりワーキンググループは、呉市にある音戸町で行われている海岸掃除の活動に参加させていただきました。この活動の目的は海岸に流れ着いたゴミを拾って海をきれいにすることです。

seideumi⑦.jpg参加者の中には、家族や個人で来られている方、他大学の方、また環境保護活動をされている方などがいました。そこで驚いたのは、参加者のほとんどが10代から20代くらいの若い方たちだったということです。今回初めて参加した私は、若い世代が積極的にこのような活動に参加することは素晴らしいと感じました。

seideumi②.jpg午前中は、ゴミを種類ごとに分けて拾う係を決め、それぞれが担当のゴミを収集しました。5月上旬とはいえ、太陽が出てくると夏のような暑さでした。海岸なので周りに影になる木々がなく、直射日光にさらされてしまうため熱中症になる恐れもあると現地の方はおっしゃっていました。

seideumi⑧.jpgある程度ゴミを拾い終わったら、お昼の時間です。私たち広島女学院大学から来たメンバーでカレーライスを作りました。自分たちで買い出しに行き、道具などはイベントに参加されていたご家族に貸していただきました。他大学の方たちも一緒にいただきました。そこでこの活動に参加するようになった経緯や、互いの大学の話や学んでいること、興味のあることなどお話しする機会もあり、良い交流の時間となったと思います。

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seideumi⑤.jpgお昼ご飯を終えたら、シーカヤック体験です。カヤックとは長細いボートで、そこに一人か二人が前向きに座ってパドルで漕ぐ乗り物です。カヤックの乗り方を現地の方が分かりやすく教えてくださったおかげで、初心者でも簡単に乗ることができました。当日は、風も強かったのでちゃんと乗れるか心配でしたが、乗ってみると思った以上に楽しかったです。

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seideumi③.jpg今回の活動で印象に残ったのは、この日拾ったゴミの中の「牡蠣パイプ」です。これは牡蠣養生用パイプで、収穫の際に牡蠣を引き上げた後、大量に海に流れ出てしまったものです。今回落ちていたゴミのほとんどが牡蠣パイプでした。しかし、現地のスタッフの方はこれを集めて、ある業者の方に依頼してこの牡蠣パイプを使ってお皿やトレーなどを作られていました。カラフルな牡蠣パイプで作られていたので鮮やかでおしゃれな物になっていました。スタッフの方はこのできた作品を小学校などでお見せして、子どもたちに頑張って拾ったゴミが拾っただけで終わるのではなく、自分たちの所にちゃんと見える形で返ってくるという事を知ってもらうとおっしゃっていました。そうすることで、自分たちが活動した事に意味があったと思えてさらにゴミ拾いを頑張ってもらいたいという思いが込められているそうです。

私たちも今後さらに地域の方々と協力して、より良い自然環境づくりを学び、実行していきたいと考えています。


これまでの活動
もそうですが、学外で色々な人と交流する中で視野が広がり、これからどんなことをしたいか、ということが具体的になっていきますね。学科としても、色々な制約のある状況の中でも、成長していく皆さんを支援していきたいと思います。

なお、この活動は「HJU Save the Seaプロジェクト」という学生考案の新たな名前となり、今後も活動を継続していくようです。

生活デザイン学科からのお知らせ

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学科の4つの領域に特化したセミナーをご用意していますので、ぜひご体験ください。

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前回の学科ニュースに引き続き、「地域環境実習」の授業について、受講生が紹介してくれました。

本学科では、SDGs(持続可能な開発目標)に関わる科目がいくつがあります。授業での体験を通して、自らの意識・行動を変容させ、それを「伝える力」にしていきます。

今回紹介した活動の様子は YouTube でも紹介しています。
ぜひ、ご覧ください。


2020年度は、「大久野島」とともに「北広島町豊平地区」にもフィールドワークで訪れました。

北広島町豊平地区のフィールドワークのテーマは、「地域の資源から地域の未来を考える」です。北広島町では、地域の人々から歴史や伝統、地域の良さや課題について実際にお話を伺い、地域課題の克服について何が必要かを考えました。

今回のフィールドワークでは、特別非営利活動法人「ひろしま自然学校」の方々にお手伝いいただき、地域の人々の声を聞きました。

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豊平地区の歴史や伝統、地域の取り組みに深い知見をお持ちの方々にご協力いただき、豊平地区の移り変わりや現在も引き継がれている伝統、地域で起きている問題についてお話を伺いました。高齢化や過疎化などが生じている中でも、新しい人の流れや地域に住む人たちの郷土愛を知ることができ、これからの豊平地区を考える上でのヒントをいただきました。

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実際に新しく取り組みが行われている地域にも訪れて、お話を聞く機会もありました。過疎化が進む中、新しい人々が移り住んでくる地域で、新たな地域の流れも教えていただきました。

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北広島町では、地域を住みよく元気にする試みが、地域の人々の手で行われています。また、地域の環境や伝統を継承するために、新しい試みも行われています。その試みのひとつに、町内で取れる茅(カヤ)を地域通貨「せどやま券」に換える活動があります。実際に活動へ参加されている方にお話を伺い、地域の環境や伝統を守るだけでなく、地域の経済を活性化することも必要であることも学びました。

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今回の調査で、地域の人々が実際に地域の取り組みの中で行なっている活動をお聞きすることができました。これらの情報をもとに、各自がこれからの豊平地区について考えた提案を地域の人々に届けました。

今後もこうした活動に参加できるように、学びを深めていきたいと思います。


学内の授業では同年代の人とのかかわりが多いですが、学外に出るとたくさんの社会人の方とも関わることになります。

その中で、知りたいと「伝える」こと、知りたいことを「伝える」現場に行くこと、そして、学んだことを「伝える」ことを実践的に学ぶ機会となったようですね。

これからも皆さんの色々な活動を学科では応援していきます。

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在学生による授業紹介のメッセージが届きました。

本学科ではSDGs(持続可能な開発目標)に関わる科目がいくつかあります。自らの意識・行動を変容させるために、様々な体験を学生たちがしています。今回は2回にわたって「地域環境実習」の授業を受講生が紹介してくれました。

「地域環境実習」では、広島県内の地域に目を向けて、実際にその場所を訪問し、地域のものや場所、人との触れ合いを通して、地域の特色や課題を学んでいます。

2020年度は、竹原市忠海町の「大久野島」を訪れました。大久野島は、「うさぎの島」として、広島県内だけでなく日本全国でも有名な島です。

今回のフィールドワークのテーマは「地域の観光を持続可能にするには何が必要か」を考えることです。「SDGs」の広がりで聞きなれた言葉になった「持続可能な」という視点で、観光や地域について考えます。

グループに分かれて、竹原市や大久野島について事前に情報を集め、調査の目標を設定してフィールドワークに出かけました。

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天気は快晴、格好のフィールド調査日和の中、それぞれの視点で設定した目標をもとに、半日かけて大久野島の調査を行いました。

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大久野島は、近年「うさぎの島」として有名になっていますが、第二次大戦中、毒ガスを製造した「地図から消えた島」としても有名です。島々に残る戦争遺構の状況についても調べました。

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歴史的な遺構であるため、放置をすれば年々劣化が進んできます。しかし、手を加えすぎると過去を伝える遺構として価値は失われます。また、こうした価値を人々に伝える人も現在少なくなりつつあります。

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現在、多くの観光客はうさぎと触れ合うためにこの島を訪れています。今回の調査でもたくさんのうさぎに出会いました。しかし、増えすぎるうさぎや放置された餌、観光客の使用する自転車の交通など、観光面で様々な問題があることに気づきました。

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大久野島は、瀬戸内海国立公園に含まれ、自然を守り、親しむ場所として保護されています。うさぎはそんな島から見ると外来動物。島の自然にも大きな影響を与えています。でも、うさぎのおかげで観光客が訪れてくれます。地域を考える上では、とても複雑な存在となっています。

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実際にフィールドワークで訪問したことにより、観光地としての大久野島の良い面だけでなく、将来への課題となっている事柄も学びとることができました。

seide-kankyo7.jpg<↑↑写真をクリックすると、調査の様子の動画が見られます!※音声注意>

フィールドワークで得た情報をもとに、グループで大久野島の「持続可能な観光」について考えました。それぞれの着眼点で現在の問題点を設定し、未来のための大久野島についてプレゼンテーションを行い、意見交換を行いました。

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フィールドワークには、実施に訪れるからこそ、わかる事柄、生きた情報がたくさんあります。そして何よるも、訪れたからこそ、その地域に対して愛着や興味も高まります。今後も様々な場所に実際に訪れて「見る・感じる・考える」学びを展開していきたいです。

現場に行き、その地域の環境や風土に触れることで、色々な視点で物事を考えられるようになりましたね。大久野島での記念写真をクリックしてもらうと、この授業についてと後日報告する北広島町で行った実習についての動画が見られますので、ぜひご覧ください。

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