人間生活学部 管理栄養学科 ニュース

ゼミアーカイブ

野村(知)ゼミの現在の卒論テーマは大きく2つです。今回は、そのうちの一つ「ソースの焼成によるにおいの変化」の卒論についてご紹介します。

nomura.jpg野村知未ゼミソースが焦げる香りは、食欲をそそりませんか?「美味しさ」に関わる要因は様々ですが、「におい」は食べる前に美味しさを判断するものであり、食行動を起こすか起こさないか、重要な因子となります。そこで現在は、「焼きそば」を試料として、ソースが鉄板で焦げていく過程の香りの変化について研究をしています。実験結果の再現性を高めるため食品試料の大きさや、加熱温度や時間等、調理条件を詳細に検討し、試料調製時は緊張感が高まります。実際は,写真のように試料調製した焼きそばの「におい」を回収し、機器分析を行います。この写真は、オープンキャンパスの際に実験内容をまとめた物をポースターで紹介しました。

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実験はもちろんですが、現在の研究テーマに関係する論文を読むのも卒業論文執筆にむけた大切な準備です。こちらの写真は週に1回ゼミで行っている論文輪読会の様子です。
今年のゼミ生は8名です。性格はそれぞれ違うけど、みんな調理するもの食べるもの大好き!食べ物の話になると、話がはずむ元気いっぱいの8名です。

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卒業論文をまとめることも大切な仕事ですが・・・

nomura5.jpgもちろん、来年3月の管理栄養士国家試験に向けて、毎日、勉強だって頑張ります!

今年の夏(7月10日)に行われたオープンキャンパスでは、チャレンジ体験「ふわふわ大作戦!~美味しいカップケーキはどう作る?」を担当しました。ケーキがオーブンの中でふっくらと膨らむにはどんな科学的根拠があるのか。難しすぎず高校生へ調理の理論を楽しく学んでもらえるようよう、何度も試作をして説明用のスライドも本番に向けてブラッシュアップしていきました。
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「カップケーキの材料、卵を泡立てることでその泡一つ一つが180℃のオーブンで約1.5倍に膨張してオーブンから出てきたカップケーキはふわふわに大変身。気泡は絶対温度に比例して膨張するよ、生地を混ぜるときにはこの卵の泡を潰さないように練らないように混ぜることが大事ですね」迎えた本番、高校生がとても楽しそうに参加くださいました。
普段何気なくしている調理ですが、温度やpHなどの変化によってそこにはたくさんの化学変化が起きています。料理を実験対象としますので、再現性ある実験試料調製には少し辛抱が必要ですが研究は楽しいですよ。

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野村(希)ゼミでは、『疾病治療を目的とした食事』に関する卒業研究に取り組んでいます。

テーマ①「汁物に飯を組み合わせた時の汁の塩味の嗜好性」

これは、主に血圧の高い方や心臓に疾患がある方等に勧められる「減塩食」に関する研究です。「減塩食」は、継続的に摂取する必要がありますが、「薄味にしても美味しく食べられる」塩分濃度の範囲は明らかではありません。そこで、1食あたりの塩分量が多いことから敬遠されがちな汁物を取り上げ、汁物の許容できる塩分濃度の範囲を把握することを目的に、ここ数年継続して取り組んでいます。

具体的には、同級生や下級生に協力してもらい、汁に飯を組み合わせて食べた時の、汁の『塩味の感じ方』や『塩味の好まし
さ』を答えてもらう検査を行っています。味の感じ方は様々な条件で変わるため、同じ条件で検査ができるよう練習を何度も行い準備します。検査が始まると、正確な塩分濃度の汁をタイミングよく提供するため、進行状況をみながら作業を進めます。一度の検査ですぐに結論が出るものではありませんので、検査を繰り返し、データを積み重ねています。

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DSCN0703.jpgテーマ②「治療食献立の栄養量に影響をおよぼす要因の検討」

疾病治療を目的とした食事は、1日のエネルギー量や栄養素量が治療ガイドラインによって示されています。しかし、献立内容は毎日異なるため、エネルギーや栄養素の量は一定ではありません。 この研究では、患者さんにとって身近な市販献立本に掲載された献立を資料として、治療食の1日ごと、1食ごとのエネルギーや栄養素の量および変動幅と、それらに影響をおよぼす要因について明らかにすることを目的に検討を行っています。これまでに、糖尿病の治療食では献立作成方法の違いにより、栄養素量に差が生じることを明らかにしました。今後は、食品の使用頻度や、使用の有無による献立内容の違いについても解析し、これらが患者さんの食習慣にどのように影響するかという視点からも検討を進めたいと考えています。

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ゼミ生は仲が良く、楽しむ時は賑やかですが、卒業研究ではしっかり切り替えて、コツコツ取り組んでいます。

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下岡研究室では、卒業研究として、「保育所における食育活動」、「スポーツ選手の栄養管理」、「高尿酸血症予防に向けた食事の検討」を行っています。

どの研究においても、対象者に合わせてどのような教育が必要かを考えることを最も重要なテーマとしています。この、「対象者に合わせた教育を考える」ということを栄養の学問分野では「栄養教育」といい、管理栄養士が身につけなくてはいけない基本技術の一つです。つまり、卒業研究を通して、研究する力だけでなく、実際に管理栄養士としての実践力も養っています。

では、具体的にどのような研究内容かを紹介します。
「保育所における食育活動」では、まず子ども達の食生活における問題点を明らかにするために色々な調査をします。一つは、「咀嚼」という視点から検討しています。具体的には、子ども達に「咀嚼力判定ガム」を噛んでもらい、咀嚼する力が成長とともに養われているかを調べます。また、毎月の身長・体重の変化を記録して、発育状態を把握します。さらに、子ども達の食事の様子を観察したり、保護者にアンケートを行って、保護者が子どもの様子をどのように評価しているかも調べます。このように子ども達の栄養状態や発育状態、食生活状態を把握し、何か問題がないかを抽出します。そして、その問題を解決するためにどのような食育活動を行うべきかを考えていきます。子ども達の普段の様子を把握することが大切なので、子ども達と関わりを深められるように、毎週保育園に通っています。

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「スポーツ選手の栄養管理」では、種目を水中競技と陸上競技に絞って、栄養サポートをしています。実際には、練習内容を観察してエネルギー消費量を算出し、一方で食事内容を調査し摂取エネルギー量や栄養素量を把握します。これらから、スポーツに合った食事が摂れているか評価をして、問題点がある場合は、個別に選手さんに食事の摂り方の指導を行います。毎日の練習内容が違うので、何度も練習を見に行きます。練習時間は長い時には1日10時間を超えることもあり、その間、ゼミ生はずっと練習内容を細かに記録し、エネルギー消費量を算出するというとても大変な研究です。エネルギー消費量をなるべく正確に算出しないと、体重管理が難しくなるので、1週間に1回のペースで、ゼミ生は頑張って調査を行って選手さんと関わりを持っています。

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「高尿酸血症予防に向けた食事の検討」についてです。これまでの研究から、摂取した食事による体内での酸生成度が高いと、尿への尿酸の排出が低下し、その結果、体内に尿酸が残り、痛風になる可能性が高まることが分かっています。そこで、どのような食事をすれば、体内での酸生成量を抑えることができ、高尿酸血症を予防できるかを明らかにすることを目標としています。現在は、日本で流通するほとんどの食品について、一つ一つ体内での酸生成量を計算し、理想的な食品の組合せを計算しています。2,000種類近い食品を一つ一つ計算していくという、大変な作業を行っています。しかし、現在増加し続けている高尿酸血症(痛風)の患者さんを少しでも減らすことができるならと考え、ゼミ生は頑張っています。

ゼミ生は、毎日このようなハードなスケジュールで研究を行いながら、時間をみつけては国家試験勉強も夜遅くまで頑張っています。毎年、下岡ゼミはとても忙しいのですが、ゼミ生はそれでもお互い支え合いながら、ワイワイと楽しみながら頑張っています。大変だからこそ、記憶に残る楽しい1年になると思っています。

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