人間生活学部 児童教育学科 ニュース

学習カウンセリングとは、週に1回、算数の勉強で困っている小学生に児童教育学科の学生が個別指導を行う活動です。
2021年度後期は11人の小学生を対象に、1年~4年生までの学生が「カウンセラー」として個別指導を行いました。
コロナ禍の中で、この1年半は活動を行うことができませんでしたが、今期は感染対策をしながら活動を行うことができました。メンバーには、初めて参加した学生も半数もおり、学生たちの意欲を感じました。
活動開始までに、たびたびの打ち合わせを行い、議論を重ねながら形を模索した結果、パソコンやスマートフォンを活用した遠隔形式、および感染症対策をとりつつの対面形式と、小学生の状況に合わせて2つの形式で行いました。

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写真)個別指導の様子(11月)

2月7日には、今期の活動を振り返り、今後に活かす検討会を行いましたので紹介します。
今回初参加の学生からは、必死でありながらも、最後には確かな達成感とやりがいを感じられたような感想が語られました。

・「児童との学習カウンセリングを通して、学ぶことがたくさんあった。児童が楽しく問題を解けるように、問題作りを工夫したりほめ方の工夫をしたりすることが大切だと学んだ。最後の学習カウンセリングで「算数がもっと好きになった」と言ってくれた時、とてもうれしい気持ちになった。」

・「児童は「学習カウンセリングの時間は楽しかった。もう算数でわからないところはなくなった、算数が好きになった」と言ってくれた。私は、自分自身が児童と接する時間を大切にがんばろうと必死だったため、児童に算数を好きになってもらおうと考える余裕もなかったし、考えたことも正直あまりなかったが、その言葉を聞いてすごくうれしかった。児童は「自分で解けるようになるのはうれしい、達成感がある」と言ってくれた。できなかったことができるようになるというのは、やっぱりとてもうれしいことなんだなと思った」

・「どうしたら児童に楽しく算数をしてもらえるのかを一番に考えた問題作りを心がけてきた。A4用紙にイラストを描いて行ったり、問題の難易度を間違えて泣かせてしまったり大変なこともあったけれど、私の初めてのクライアント(児童)が〇〇ちゃんでよかったと思う。〇〇ちゃんにとってもそうだったらいいなと思う。この経験を活かして、さらにいい指導ができるよう努めていきたい」

一方、参加経験のある学生からは、コロナ禍の中で新しい「学習カウンセリング」の形を模索していく過程で、新しい課題に戸惑いながらも、これまでの経験を活かして、たくましく活動していった様子がうかがえました。

・「はじめてのことばかりで戸惑うことや予想していなかったことも多くあったけれど、今回のカウンセリングの活動を実施したことで、コロナ禍での学習カウンセリングの形の枠組みが生まれました。先生方も先輩方もしっかりとリードしてくださったおかげで、1、2年生も立派に活動していくことができたのではないかと思う」

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写真)学生による振り返り

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写真)桐木建始教授


先日、最終講義を行った児童教育学科・桐木建始先生には、学習カウンセリングの立ち上げからこれまで大変お世話になりました。桐木先生とともに、学習カウンセリングに携わってきた大橋隆広先生が、引き続きこの活動をバージョンアップさせ、さらに新たなメンバーを迎えて活動をスタートしますので、レポートを楽しみにしていてください。

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1月26日(水)16:30~18:00、「AI時代の保育・教育に向けて」と題しまして、本学桐木建始教授の最終講義(「教育心理学b」)が行われました。
当日は当該授業の履修生を含む本学学生に加えて、本学教職員、そして卒業生と、約220名が対面もしくはオンラインにて参加しました。

まず桐木教授はご自身の学問的ルーツである認知心理学と行動主義の異同を軸に、その「長い過去と短い歴史」である心理学史における位置づけおよび保育・教育における「人間観」や「保育・教育観」の異同についてお話しされました(行動主義:環境を重視した「教える」保育・教育、認知心理学:子どもの主体性を重視した「支える」保育・教育)。
また、本学の元学長であり心理学研究者である今田寛先生と桐木教授および広島女学院大学との関わりについても紹介され、幼児教育心理学科(現:児童教育学科)の立ち上げの経緯についても話していただきました。

さらに、桐木教授の学問的ルーツを下敷きにしてスタートし、2008年から学科にて継続的に取り組んでこられた、 算数が苦手な小学生の学習を支援する活動「学習カウンセリング」についても紹介されました。学習カウンセリングは、「学習の自立」をめざす「技術的・認知的側面」と「算数が好きになること」をめざす「情意的側面」から構成されているとのことでした。

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写真)広島女学院大学の学習カウンセリングについて

そして、「AI時代の保育・教育」として、認知心理学のAIとの関りおよびAIによるディープラーニングの「威力」と「問題」(AIプロブレム)について指摘されました。このようなAI時代における難しい状況の中で、「創造性」:いわゆる「変わった子」、「不思議な子」を大切にすること、「批判力・表現力」:子どもの主体性を尊重するとともに、大人が適切な環境を整備することが「AI時代に求められること」であり、それらを追究すること通じて「知的多様性のある社会」を実現することを提唱されました。

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写真)AIがもたらすと考えられる社会的影響について

最後は、「社会的交換理論」の「互恵性規範」を援用され、桐木教授の大学教員としての教育観を培う土壌になった沖縄のCMを紹介されながら「その子のために力を尽くせば、必ず答えて(成長して)くれる」ことを信じ、保育・教育にあたることを私たち後進に望むメッセージとして残され、講義は締めくくられました。

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写真)花束と記念品の贈呈

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写真)最終講義を運営した、児童教育学会役員とともに

桐木先生、31年間、大変お世話になりました。


児童教育学会副会長の大瀬戸さん(3年生)は、「1年生の頃から学習カウンセリングでお世話になった桐木先生を、中心となって送ることができてよかった。」と話していました。また、送別の言葉を伝えた石田さん(4年生/在学生代表)は、「卒業論文にあたっては、常に学生のことを気にかけ、手を差し伸べてくださる桐木先生に大いに救われてきました。個人のペースに合わせて一緒に考え、学生の意思を尊重し、丁寧な添削をしていただきました。」と感謝の気持ちを伝えていました。学科教員一同、このような「大学人」をめざして頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました。

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3年生は卒業後の進路を意識する時期になりました。そこで、1月12日(水)に「就職内定者報告会」を開催し、4年生から就職活動の体験談、アドバイスをいただく機会を設けました。

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(写真1:今年度もリアルタイム型のオンライン配信での開催となりました)

全体会では、私立保育園、私立幼稚園、公務員保育士、児童福祉施設、小学校、一般企業に内定をいただき、就職予定の6名の先輩たちから就職活動の報告をしていただきました。
内定先の「業種」を決めた理由と決めるまでの経緯
内定先を決めた理由と決めるまでの経緯
就職活動の流れ、いつ、どのようなことをしてきたか
キャリアセンターをどのように利用したか、他の就職斡旋機関を利用したか
就職活動に際して、誰に相談してきたか
内定先の就職試験の内容と受験に際して対策(事前準備)したこと
後輩に伝えたいこと
について報告をしてもらいました。

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(写真2:全体会で4年生はオンラインツールを使って後輩に就職活動について報告しました)

全体会後に6つの分科会に分かれ、就職活動に関する疑問や不安を先輩に伝えて回答していただきました。

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(写真3:分科会は先輩と教員から就職活動のアドバイスを受けました)

<報告会に参加した3年生の感想>
*どのタイミングで就職活動を始めるべきなのか内心焦っていましたが、先輩方のお話をお聞きして、自分の中での考えや振り返りを行ったうえで就職活動を始めていくと良いというアドバイスをいただいたので、前向きに検討していきたいと思います。まだ、悩んでいることは多くありますが勇気をもらうことができました。とても良い時間となりました。
*様々な就職先の話を聞けたので、比べることができて参考になりました分科会で先輩に質問させていただくことが出来たので、これから活かしていきたいと思いました。
*就職活動について分からないことが多く、最近とても不安になっていたため、先輩方のお話を聞いてこれからどうすれば良いのか、まず何から始めれば良いのかなど聞くことができてとても参考になりました。
*沢山質問させていただきましたが、丁寧に答えてくださったので本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。これから就職活動をするにあたり参考になりました。
*先輩が一つひとつの質問に丁寧に答えてくださった。何冊もの教科書や参考書に手を出す傾向があるので、1冊に絞って何回も解いていこうと思った。面接対策は事前にしっかり行っておくことやマインドマップを活用すること、実習内容について聞かれるなど、初めて聞く内容も沢山あり大変貴重なアドバイスを頂いた。
*これから春休みまでの期間の中でやるべきことや、一次試験、二次試験に向けてどのように勉強したら良いかなど、具体的に聞くことができたのでよかった。また、これからの試験や実習に対して不安な気持ちが強いけれど、試験本番前や実習中に焦らないように対策や練習を頑張りたいと思った。
*実習など大変な中での就職活動になる可能性があるので、春休みから園探しを始めて見学にも早めに行きたいと思いました。また、キャリアセンターに直接行ったことがないので、就職活動の時にはしっかりキャリアセンターの方に相談をしながら進路を決めていきたいと思いました。
*就職が決まった先輩の言葉すべてが前向きでキラキラとしていて、私も1年後こうなっていたいと感じました。私の質問に対しても真剣に向き合って考えて下さり、とても嬉しく思いました。将来について不安に感じている部分がまだ沢山あり悩んでいる途中なので、自分のやりたいことをしっかり固めれるよう私も前向きに取り組みたいと思います。

<後輩にアドバイスをした4年生の感想>
後輩に伝えたいことがたくさんあり、時間いっぱい話をしました。これから就職活動をしていく後輩たちの不安が解消し、励みとなり背中を押すことができたのであれば嬉しいです。

広島女学院大学児童教育学科は、みなさんの「なりたい」を応援しています。
昨年度の就職内定報告会の様子はこちら

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