人文学部 日本文化学科 ニュース

2017年10月アーカイブ

(※国際教養学科の国語系メジャーでの授業を紹介しています。)

2017年度は、世界文化遺産に登録されたばかりの山口県萩市で、8月17・18日に1泊2日の方言調査を行いました。

過去には、兵庫県姫路市、赤穂市、鳥取県米子市、倉吉市、島根県出雲市、松江市、山口県下関市、福岡県博多や北九州市、愛媛県松山市、香川県高松市、岡山県倉敷市など、広島県の周辺地域を中心に、方言調査を行っています。

今年は、山口県の萩市での方言調査です。学生たちは、事前に山口方言について調べました。山口県でも、広島と同じように、「ぶち」「ぶり」「ばり」を使っていることを知って、山口方言に親しみを感じたようです。方言の「のんた」は、いまでも使われているのでしょうか?

さあ、方言調査に出発です。

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萩に行く途中で、山口県宇部市小野の茶畑に寄りました。みんな、大きな茶畑に驚きました。さっそく、地元の人と話しながら、お茶を飲んだり、お茶の入った煎餅やそうめんを食べたりして、くつろぎました。使っている言葉は同じようだけど、広島とすこし発音が違うことに気がつきました。「そりゃあ、おいしーいね」のように、広島の言葉と違うところも発見しました。萩市の言葉と比べてみるのもおもしろい。

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萩市での方言調査です。店の人との会話を楽しみました。最初は、「初めての人と話すなんて恥ずかしい」と言っていた学生たちも、みんな、見知らぬ人にどんどん声をかけていきます。萩焼の店、アクセサリーの店、地元のお菓子を売っている店、たくさんの店に入って、店員さんと話をしました。路上でも、たくさんの人に、萩で使う言葉について質問しました。広島の紹介もしました。恥ずかしいなんて、言ってられませんね。

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夜は、ホテルで、一日の出来事を話しながら、おいしい食事をしました。見蘭牛のステーキなど、郷土料理のおいしさに感動。温泉にも入りました。
「のんた」は、90歳以上の方からしか、聞かれませんでした。方言が消えていくのは、さみしいですね。「ぶち」よりも「ばり」「ぶり」「ばち」をよく使うということも分かりました。「えらい(疲れたという意味)」「おおくじられる」など、若い年齢の人もよく使ってという話をして、盛り上がりました。

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観光もしました。萩の武家屋敷の町並みは、とても趣がありました。高杉晋作の生誕の地や、松下村塾にも行きました。勝手に家の修理ができないことなど、世界文化遺産の中で実際に暮らしている人たちの苦労も知りました。

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方言も伝統建築も郷土料理も、みな、日本文化。地方の日本文化の現状を知り、若い自分たちに何ができるかを真剣に考えることができました。

来年は、しまなみ海道の島々で方言調査をして、道後温泉に泊まる予定です。

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