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 妊娠 分娩 産褥 

 人は皆、人を好きになり愛するようになると、どちらからとなく性的接触を求めるようになります。このことは、愛する者の二人の自然の姿でしょう。
 しかし、性的接触は、自分の立場や年齢等、自分を取り巻く諸条件から、感情だけでなく理性でコントロールしなければならない行為です。しかもお互いに責任を負わなければならない行為でもあります。
 今、あなたが好感を抱き、愛し合っている相手がいるなら、その相手を大切にし二人の愛を育み、将来、人生の良き伴侶となれるように刺激し合い学究に励み、お互いが成長してほしいと思います。

 私の産婦人科勤務の経験から、妊娠、胎児の成育の様子、そして出産、産後をまとめてみました。
 みなさんの近い将来のご参考になればうれしく思います。


出産を間近に控えて(妊娠38〜40週頃)
母体と胎児

●妊娠とは
・発育を続ける受精卵を婦人の体内に包容した状態をいう。
・受精とは精子と卵子とが融合して新生命を発する現象をいう。
・受精は通常性交によって媒介される。

●性交とは
・最終的な愛の関係である。
・男性と女性が愛を確かめ合い、男女の絆をより深め子孫繁栄、家庭円満を願う夫婦(男女)に許される行為である。
・愛しているから、好きだから、成りゆきや感情本能のままに行動する行為ではない。

●精子とは
・精子は全長約0.05〜0.06mmである。
・1回の射精によって排出される精液は5〜10ccで、その精液中精子の数は2〜3億個である。
・精子の運動速度は、1分間に約2〜3mmである。
・精子が外子宮口から卵管膨大部に至るに要する時間は約70分である。
・精子の生存時間は80時間以内。その内受精能力は24時間以内と言われている。

●卵子とは
・肉眼で見ることができる人体の細胞中最大である。(0.2〜0.25mm)
・成熟婦人では、通常1カ月ごとに両側卵巣において交互に排卵する。
・卵子の生存期間は数日間。Hartmanによると数時間と言われている。

卵子と精子
卵子と精子
卵子の核と精子の核とが合一すると「受精」が成立する。
精子の頭部が核で尾を動かしながら泳ぎ進んでいく。

 ※妊娠を望まないなら避妊は絶対必要です。しかし、100%の避妊方法はありません。
 ※卵管膨大部で精子が待っている状態で排卵が起こると100%妊娠します。

性交=妊娠
妊娠が成立すると次の生理はきません。
妊娠しているかも知れないと感じた時は、早めに産婦人科を受診します。

受精と着床

排卵から着床まで
排卵から着床まで

卵管膨大部で1個の精子のみが卵子の中に進入し、受精卵となる。
受精卵は細胞分裂をし発育しながら3日かかって卵管を通り子宮腔内にたどり着く。
更に3日くらいかけて受精卵は子宮壁に付着(着床)する。


胎児の付属組織
胎児の付属組織

胎児の成長と母胎の経過

週 数児の身長児の体重胎児の成長母  体定期
検診
0−3週
(1か月)
1cm1g胎芽妊娠とは気付かない4週

1回
4−7週
(2か月)
2.5cm4g二等身、子供らしくなる
指ができる
子宮はがちょうの卵大
つわり症状が出る
8−11週
(3か月)
9cm15g三等身、爪ができはじめる
排泄する練習をはじめる
男女の区別ができるようになる
子宮はにぎりこぶし大
乳房が大きくなる
12−15週
(4か月)
18cm120gうぶ毛のようなものが見える
手足を動かすようになる
子宮は子供の頭大
胎盤が完成する
つわり症状がおちつく
16−19週
(5か月)
25cm300g胎児の心音が聞こえる
髪の毛が生えてくる
手足をさかんに動かす
子宮は大人の頭大
下腹のふくらみが目立つようになる
20−23週
(6か月)
30cm600g〜700gまゆ毛やまつ毛が生える
羊水を飲み込み消化管へ送る働きをはじめる
子宮底の長さは18〜20cm
胎動がはっきりわかる
おなかを触ると赤ちゃんの位置がわかる
24−27週
(7か月)
35cm1000g〜1200g脳が発達しからだの各機能をコントロールできるようになる
まぶたが上下に分かれ鼻の穴がとおる
子宮底の長さは21〜24cm
おなかが急に一段と大きくなる
28−31週
(8か月)
40cm1500g〜1700g呼吸のまねごとができる
聴覚ほぼ完成
動きが力強くなる
子宮底の長さは25〜28cm
おなかが大きくなり身体を動かすのが難しくなる
2週

1回
32−35週
(9か月)
45cm2000g〜2400g早産しても保育器の中で育つ
胃や腸が活動し肺の機能も整う
子宮底の長さは28〜32cm
肩で息をするようになる
おなかが時々はるようになる
36−39週
(10か月)
50cm2900g〜3400g各機能が充実し生まれても育つ
感染に対する抵抗力ができる
子宮底の長さは32〜35cm
赤ちゃんが下がって胃が楽になる
お産が近づきおなかがはるようになる
1週

1回
※定期検診の回数は、妊娠が確定し正常に経過している場合です。


分 娩

分娩第1期(開口期):規則的な陣痛が開始し子宮口が全開大するまで
分娩第2期(娩出期):子宮口全開大から胎児娩出まで
分娩第3期(産後期):胎児娩出から胎盤娩出まで

分娩にかかる時間

 第1期(開口期)第2期(娩出期)第3期(産後期)合 計
初産婦
(初めての出産)
10〜12時間2〜3時間15〜30分12〜15時間
経産婦
(2回目以降の出産)
4〜5時間1〜1.5時間10〜20分5〜7時間


産 褥

妊娠や分娩によって生じた変化が妊娠前の状態に戻る時期を産褥という。

◆子宮の回復
・子宮は、お産直後より急速に回復する。
・産後2・3日は、後陣痛といって陣痛様の下腹痛がある。
・産後10日頃には、子宮底は腹壁から(お腹を押さえて)は触れなくなる。

子宮腔の長さ  
産後の子宮底 分娩直後 15cm

2週間後 10cm

3週間後 8〜9cm

6週間後 7cm

◆膣、会陰の回復
・お産後の膣、会陰切開、裂傷による傷口は、約4週間くらいで妊娠前の状態になる。

◆悪露
・お産によって子宮、膣、外陰部にできた傷口より分泌される血液やリンパ液を悪露という。
・子宮の回復により色や量は変わる。
・産後2、3日は血液が多く赤色で量は月経よりやや多い。4日頃より褐色になる。
・その後、色はしだいに薄らぎ量も減ってくる。
・産後3週間くらいになると黄色みを帯びた少量の帯下となる。
※経過日数には、個人差があります。
悪露の手当
 産後2週間くらいまでは、トイレに行くたびに外陰部消毒をします。

外陰部消毒の方法
外陰部の消毒
1、2、3の順に尿道から肛門に向けて拭く。

◆乳房
・乳房は分娩が終わると急激に発育が進み、産褥第3・4日頃著しく腫脹増大する。
・乳汁分泌は授乳の期間中続く。


妊娠分娩によって変化した子宮、膣、外陰は4〜8週間後に妊娠前の状態に回復します。
産後6週間をめどに社会復帰が可能です。
また、産後1年間の育児休暇をとることができます。


 あなたの命は、2〜3億の中から選ばれたたった一個の精子によって与えられました。2〜3億分の一の生存競争に打ち勝ったあなたです。2〜3億個の代表です。非常に大切な、選ばれたあなたです。このように考えると生を受けた各々に必然的な責任があるように思われます。
 与えられ選ばれた命を大切に、今いる立場をおおいに活用して学生生活を満喫してください。
 そして将来の基礎作りに専念されることを祈っています。

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