11がつ

 

 雨の多い涼しかった夏と、記録的に温かい10月を経て、今年の日本各地の紅葉は今ひとつと報道されていますが、確かに毎年素晴らしい紅葉を見せてくれる牛田早稲田団地の街路樹も例年ほどではないように感じます。それでも、ゲーンス幼稚園のイチョウはみごとに黄色に染まり、舞い落ちてきています。 子どもたちは朝、登園するなり黄色の絨毯に飛び出していきイチョウの葉っぱを拾い集めては、『花束だよ!』と見せてくれたり、料理の材料にして友達や先生たちにごちそうしたり、お金に見たててお店屋さんごっこを楽しむなど、落ち葉と触れ合い遊んでいます。

園庭のイチョウの木とアスレティックからブランコにかけての空間は、ただ今レストラン街の様相を呈しています。新しくできたガーデンテーブルや栗の木のベンチ、丸テーブルや平均台などに次々お店が開店しています。それぞれのお店で、旬の食材をふんだんに使った手料理を準備し、笑顔でお客さんを呼び込みます。食器をきれいに並べたり、花をあしらうなどのテーブルセッティングお客さん獲得のための創意工夫は怠りません。 レストラン街の食べ歩きを楽しんでいると、丸太(ログ)ロープのぼりの下の薄暗い空間で、地味ながらも活況を呈しているお店を発見しました。隠れた名店のようです。ワクワクしながらそのお店の暖簾(のれん)をくぐってみるとわかりましたわかりました。納得、そのお店が繁盛するわけを。

そこは年少、中、長の子どもたちが入り混じって切り盛りしているお店だったのですが、そこで出てくるお料理の繊細なこと。湿り気のある黒っぽい泥を型押しして、その上にさらこな と子どもたちが呼んでいるきめの細かいさらさらの白い砂をかけ、その上にさらにかわいいイチョウの葉っぱがトッピングしてあるのです。

『ハートのケーキです。どうぞ!』そんな芸術作品が味わえるのですから、立地条件の悪さもなんのその。評判が評判を呼び、いろんなクラスの子どもたちや先生たちも食べにきます。先生の後からは他の遊びをしていた子どもたちもくっついて来ます。遊びの中ではみんな無限大の胃袋を持っていますから、当然はしご をします。そうなるとあっちの店もこっちの店も大繁盛!こうしてコスモス揺れる小春日和の園庭で、胃袋だけでなく、子ども達の心も体も豊かに満たされていきます。この素敵な秋の自然と、豊かなひと時をくださった神様、本当にありがとう。

 

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