2004年3がつ |
『なんとなく すきになった。』
友だちの木
幼稚園とはお別れするけれど、
僕たちが友だちだってことは
いつまでも消えないよね。
ぼうけんのもり に
いつまでも僕たちの木が
元気に育っていますように。
また、会いにくるからね。
『まっすぐのびてるから。さつきっていう名前にしたの!』
まもなく卒園のときを向かえる年長の子ども達。2、3月はほとんど毎日のように冒険に出かけておもいっきり遊んだ“ぼうけんのもり”ともお別れです。はじめてこの森に入った時には『気味がわるいよー!』とか『坂道がこわいよー!』なんて半べそかいていた子ども達も、今では別人のようにすっかりたくましくなって、まるで猿のように森を駆け巡っています。多少の擦り傷もへっちゃら。子どもたちにとってはとても広いこの森のはずですが、それぞれの子どもの頭の中には“森の地図”が描かれているようで、迷うことなく歩き回り、3学期になってはじめて森に入る年中少の子ども達を優しくガイドしてあげたり、秘密基地を次々造ったり、こちらの広場とあちらの広場をつなぐ“新しい道”を造ったりと、我が庭のように親しんでいます。 |
『ちいさいから。いっしょに大きくなるんだ!』
『人生の中で、自分で道を造る(創る)経験なんて、めったにできるものではないですよね…』と、あるお母様の言葉。そう言われれば、そうですよね。めったにというか、きっとおそらく道を創る経験なんて普通はできないでしょうね。自分で道を創った子ども達が、卒園していきます。これからの子ども達の人生の道のりも、決して平坦ではないと思います。でこぼこしていたり、曲がりくねっていたり、険しい山道の時もあるでしょう。でもきっと、ゲーンス幼稚園を巣立っていく子どもたちは、自分の人生という道も創っていける子ども達だと確信しております。 |
『つるつるしてるところと、曲がっているところが好き!』
卒園前に子ども達に森からのプレゼントを贈りました。それは、“ぼうけんのもり”の木です。森の中にあるたくさんの木の中から、一本だけ気に入った木をみつけて『自分のものにしていいよ』というプレゼントです。といっても、引き抜いて自分の家には持って帰れませんから、実際に森の中で気に入った木を一本選び、そこに
“これは私の木です”、“ぼくたちの木です”と名前を書いた手づくりのプレートを下げるだけのことなのですが…。でも、卒園してもずっと自分の分身が森にいてくれる、いつかまた会いに行きたい存在がそこにある…そんな贈り物です。 |
『ねっこが 大きかったから!』
その選び方、こだわり方も様々です。ある子は木の選出にこだわり、森の果てまで散策して一人だけの木を選びました。ある子達は、いつも遊んでいる仲間7人で一本の木を選びました。以下、子ども達がそれぞれの木を選んだ理由、木が好きになった理由をお伝えしますね。『景色のいい場所に生えているから』『森の中で一番太くて大きいから』『森の道でみんなを守ってくれるロープが巻きつけてある木だから』『小さいから一緒に大きくなれる』『秘密基地の側にある木だから』『森の粘土の穴(子ども達の粘土採掘場)の近くにあるから』『(木肌が)つるつるしてきれいだから』『まっすぐ伸びているから』『一本の木が3つに別れているから(3人仲良しグループで)』…(まだまだありますが、あとは機会があれば実際に森の中でお確かめください。ネームプレートの裏にその理由が書き込んであります。) |
『みんなを守るロープが巻いてある木だから!
これからもみんなのことを守ってね!!』
それぞれの子どもの、それぞれの木との出会いがあります。こだわりがあります。子どもの成長と同じように木も生長していきます。子ども達のそれぞれの育ちを、先生達も応援しているように、この“ともだちの木”もずっと応援しています。 |
『おおきいのにかわいいから!』
ちなみに、木はとても長生きすると思いますが、ネームプレートはそのうち朽ちてしまうかもしれません。プレートはなくても、それでも“ともだちの木”はずっと自分(たち)の木です。もちろん、気になる方は新しいプレートを作って付け替えてもいいですよ。いつでも歓迎します。 |
『鳥が巣をつくっていたから!』