ぼうけんのもりのどうぶつたち

 

とり  Bird のコーナー

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幼稚園の周りにいる鳥のことをお伝えしています。

 

 

ファイルNo.1            いたち

 2001年、 9月19日の夜おそく、閉めわすれて帰った窓から、おきゃくさん が幼稚園に遊びにきてくれていまた。20日の朝、ろうかや、せんせいのおへや の ソファ-のうえに、そのおきゃくさんの のこした、うんち を発見。その日、みんなでさがしまわっても、おきゃくさんはみつかりません。「もう、もりにかえったのかなあ」、と思っていたら、次の21にちのあさ、、またまた、たくさんのうんち が、幼稚園のあちこちでみつかりました。
 

 どうやら、そのおきゃくさんは、もりにかえらず、幼稚園におとまりをしていたようです。いったいこのおきゃくさんはだれなのでしょう?

田中豊美さく 『野生動物ウオッチング』 福音館書店 1994

 そこでまず、その うんち をしらべてみることにしました。こどもの こゆび くらいの太さで、色はこげちゃいろ、長さはいろいろで、まめつぶくらいのもあれば、こどものひとさしゆびくらいの長さのものもありました。幼稚園のずかんを、あれこれひっぱりだして、しらべてみました。ねずみでもなさそうだし、りすでもない、たぬきでもないし、いのししでもない・・・いったいあなたはだれなの?  

 

 21日の夕方、せんせいたちはこのおきゃくさんをさがしました。まだきっと幼稚園にいるはずです。倉庫や、台所、いろんなところをさがしました。すると・・・いました!いました!台所の倉庫の中にかくれていました。いたちです。まちがいなく いたちです。どうやらこどものようです。
 
 きっと、幼稚園にあそびにきて、帰れなくなってしまっていたようです。そこで、にがしてあげることにしたのですが・・・

 こわがって、にげてばっかりのいたちくん。みんなであみを用意して、そっとつかまえてあげようとしたけれど・・・・・・・  おこってか、こわがってか、いたちくんはたくさんのおならをしたのです。それもそのはず、自分よりもずっと体の大きい人間たちが寄ってたかって自分を捕まえようとしているんですから。こんな時、動物の言葉がしゃべられたらいいなあと思いました。『心配しなくていいよ、ちょっとだけ捕まえるけど、森に帰してあげるためなんだよ。捕まるのが恐かったら、帰り道を教えてあげるから、自分で帰ってもいいんだよ。』ってね。
 ところで、いたちくんのおならの臭いこと、臭いこと。目から涙は出てくるし、鼻は曲がりそうで、セキまで出てきましたよ。

       
 1時間後、やっと いたちくん はもりへ帰っていきました。                     また会いたいけれど、もう幼稚園には近づかない方がいいかもね。本当は、人間が森を壊しているからいけないんだよね。ごめんね、いたちくん。げんきでね。バイバイ。

 

 

女学院キャンパスで目撃されたイタチくん

(牛田山の自然:広島女学院 編 より)

 

ファイルbQ                いのしし  

 

 それは、運動会の前の日のことでした.ぼうけんのもりの くりやまに  散歩に出かけたとき、こどもたちはふしぎな光景をまのあたりにしたのでした。すっかり栗の実も 枝から落ち、あたり一面はいがぐりだらけでした.9月の終わりに幼稚園のみんなで栗拾いをしたので、ほとんど からの いが栗でしたが、もしかしたら、『まだは残っているかもしれないね』 と話し合いながら 足でいが栗の中を探っていた時です.

 

  一人の男の子が 『だれか、こんなところでを食べたみたい!』と叫ぶのです。どれどれとのぞいてみると、あら、本当、いが栗だけでなく、栗の実もからっぽになっています.『きれいに食べてるねえ。栗の実がすこしものこってないね。』  でもその時はきっと人間の仕業だろうと思って、先生はあまり気にとめていませんでした.

 しかし、探求熱心な子どもたちは、どんな疑問でも徹底的に納得するまで、追求します.『せんせい、見て見て!こっちのもからっぽだよ.』 『こっちもきれいに食べてるよ!』 『このあたり全部からっぽだあ!』  こうなると、もう子どもたちの思いはとめられません.

 『こっちには、なにかの足跡があるよ!ほら、これこれ.』 『やっぱり何か動物がたべにきたんだよ!』 『なんだ?なんだ?』 まわりにいた子ども達も駆けつけてきました.『どうした?どうした?』 『大事件!大事件!』 『足跡発見!足跡発見!』 『を食べた犯人は誰だぁ?』と大興奮で、しばらくは を食べ尽くして、足跡だけを残していった見知らぬ犯人の大捜索が続いたのでした. 

 このあと、足跡らしきものはあちこちで見つかりました.実はこの『足跡』と子ども達が呼んでいるものはほとんどが足跡ならぬ 『鼻跡』 で、この犯人イノシシなのでした.                      

 

 幼稚園に帰ってから、子どもたちに一冊の本を見せました. 『野生動物ウオッチング』 田中豊美さく福音館書店 1994)という絵本図鑑です。  この本を見ているうちに子どもたちは少しずつ犯人像がつかめてきたようです.

 

 足もとを気をつけてもりを散策してみると、くりやまだけでなくもりの道のあちこちに イノシシの痕跡が残っています.『先生はきっとイノシシだと思うんだ。この森にはイノシシの親子がどうやら住んでいるみたいでねえ。近所の方からも、イノシシがいるよと聞いたことがあるんだ。』と語りながら、その後も ぼうけんのもりの どこかに動物たちの痕跡が残っていないか 散策を続けたのでした.

 

 もりのあちこちに、ちょうどイノシシの身体が入るトンネル(けものみち)もみつかりました。

 

 宮島野猿公苑の菊間先生によると、きっとこんな感じ(イラスト参照)で、1頭のお母さんイノシシと2、3頭の子ども達(ウリ坊)が、 人間の子ども達が帰って静かになった後の ぼうけんのもりを 今度は自分達の遊ぶ番だと 歩き回り、餌を探して朝まで行ったり来たりしているとのことです。

 足跡はこんな形をしていました.長さは10センチ弱で、鼻跡は8センチくらいでした.ちなみに まだ犯行現場を抑えたわけではありません.ホシ(犯人)の犯行を裏付ける証拠は数多くそろったものの、ぜひ現行犯で逮捕…いやいや ぜひ一度 その姿を 遠くからでいいから 拝んでみたいものです.菊間先生いわく、足はとても速く、驚くと猪突猛進するそうなので、 安全対策を施して撮影隊を組み、もりに一晩中こもって、VTR撮影に成功したら 子どもたちに見せてあげたいなあと思っています.そんなことができたら、もちろん、ここにも掲載いたしますから、気長に、楽しみに待っていてください。

 

次の動物紹介はたぬきの予定です。おたのしみに。

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