人間生活学部 生活デザイン学科 ニュース

地域デザインアーカイブ

地域デザイン

生活デザイン学科地域デザインでは、「社会教育課題研究I・II」の授業において、国立江田島青少年交流の家との連携で実習を行っています。

今年度の受講学生4名が参加し、前期から企画・準備してきた1泊2日の小学生キャンプを実施しました。
参加した学生によるキャンプのレポートをお届けします。

江田島キャンプ1日目は、まずアイスブレイクをしました。

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最初は小学生同士が初対面で緊張感漂う空気もありましたが、アイスブレイクを通して段々と打ち解けていき、子どもたちの表情が笑顔になっていきました。

午後は、ウォークラリーをしました。
子どもたちが自ら進んでゲームに参加し、仲間と声を掛け合いながら協力して水晶山を登りました。

1日の最後のお楽しみであるキャンプファイヤーをしました。ファイヤーでは、1日の振り返りも行ったため、自分以外の友だちの意見を吸収している様子が見られました。楽しいだけでは終わらない、その日の活動を振り返るとても有意義なひと時を過ごせました。

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私は、キャンプファイヤーの企画を担当しました。企画することの難しさはありましたが、企画していく中で学生が忘れてはならないことは、キャンプを通して子どもたちがどのようになってほしいかという活動のねらいを根底に企画することだと感じました。

今回の江田島キャンプでは、一から事業を企画・実践する企画力や実践力、キャンプファイヤーで必要なアクティビティの知識や予め先の事を見据えた危機察知能力などを得ることができました。

(生活デザイン学科2年・森田まひろ)

2日目は、野外炊事を行い、「ポトフ」「煮込みハンバーグ」を作りました。

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学生は、子供たちが主体になるよう安全面に注意しながら、時々サポートをしました。
1つの目標に向かい分担して作ることで、主体性・協調性を育み、達成感も味わうことが出来ていました。

昼食後には、全体の振り返りをして「〇〇さんのいいところ」や「発見したこと・チャレンジしたこと」について共有しました。
このことにより、自己肯定感を高めることができたと思います。最後に、学生たちから子供たちに感謝のメッセージカードを渡し終了しました。昨日初めて会ったとは思えないほど、仲良くなり濃い2日間となりました!

このキャンプで子どもへの接し方はもちろん、学生同士の情報共有の仕方、自分の意見や考えを他人に伝える力などが得られたと思います。1つの企画にテーマを掲げてそれに向かって団体で取り組む難しさと楽しさを知ることが出来ました!

(生活デザイン学科2年・今村早希)

今回のキャンプ実施までに、他大学の学生との打ち合わせやリハーサルを重ね、学生たちは準備に奔走してきました。
子どもたちが楽しんでくれたという成果はもちろん、学生たち自身にも成長が見られました。

交流の家の職員の先生方をはじめ、ご協力くださった方々に改めて感謝いたします。

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生活デザイン領域

本学学生による干支をデザインしたラベルを冠した新酒が今年も発売されます。12月13日(金)の蔵出しを前に、どのように今年は取り組んだのかをご紹介したいと思います。

これは企業と大学が連携して地域を盛り上げるデザインプロジェクトの1つ「干支ラベルデザインプロジェクト」として2017年から取り組んでいるもので、今年は「地域連携デザインセミナーⅠ」「特別セミナーⅠ」という授業とも連携して進めました。連携先は西條鶴醸造株式会社(東広島市)です。

授業では、ラベルやパッケージデザインに関わる講義を受けたり、実際に酒都・西条を訪れ、酒蔵の見学や街並みの観察を通し、地域のデザインにも触れたりしました。

seide-et01.jpg(地元ガイドの方に案内してもらいながら、酒蔵巡りをしている様子)

東広島に馴染みのなかった学生はもちろん、地元が西条だという学生もガイドさんと一緒にまち歩きをすることで、知らなかったことや新鮮な街のデザインに出会うことができました。

このような活動を経て、学生たちは手描きやグラフィックソフトを使用して、ラベルデザインに取り組みました。

今年は授業履修者以外からも応募があり、46点の作品から西條鶴醸造株式会社による選考が行われ、最優秀賞が決まりました。

そして、先日西條鶴醸造株式会社から今年の実用化作品のサンプル瓶が届きました。

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(2020年干支ラベル新酒サンプルと実用化作品)

2020年の干支はネズミ!このデザインは宇都宮祐希さん(生活デザイン・建築学科3年)によるもので、「白ネズミが子孫繁栄の象徴であることから、健やかな1年になることを祈り、大切な人と新年の祝いとお酒も楽しめるよう願いを込めたデザイン」がコンセプトです。

「2020」という数字は、お酒がお米を原料にしているというところから、米粒をイメージしたフォントで、こちらにも工夫が見られます。

3年分のデザインを並べてみると、デザインの一貫性とオリジナリティが分かりますね!

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(2017年 戌(いぬ) 2018年 亥(いのしし) 2019 子(ねずみ)のラベルデザイン)

この干支ラベル新酒は12月13日(金)から広島県内の酒販店、百貨店、ショッピングセンターなどで販売されます。見かけたらぜひお手に取ってご覧ください!

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2019年9月2日~13日の12日間の日程で生活デザイン学科の国内フィールドワークを実施しました。

旅のテーマは「日光と徳川ゆかりの文化遺産」。

「東照宮」をキーワードに名古屋・久能山・上野の東照宮と、日光の世界遺産2社1寺ほか文化遺産を訪ね、歴史・美術・建築について実地に学ぶとともに、日光街道などを実際に歩き、前近代の旅を体感しました。

その様子を7回にわけて、紹介します。

7・8日目 日光

9月8日(日)

7日目はうるし博物館、金谷ホテル、日光田母沢御用邸へ行きました。

日光駅から大谷川(だいやがわ)を渡って、山の方へ少し登ったところにうるし博物館があります。

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ここでは、さまざまな漆の作品や、作品が出来るまでの工程などの展示がありました。小西美術工藝社という文化財の修復なども手がける会社の博物館で、日光だけではなく平泉の中尊寺金色堂などの仕事もしているそうで、その試作品などが展示されていました。実際に触ることができた漆の壺はとても艶があって触り心地もよく、漆の美しさを感じました。
一本の漆の木からとれる樹液はほんの少しであることを知り、漆の貴重さも感じました。

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近々、閉館して、ネット上の展示のみになるそうで残念に思いました。

昼食は金谷ホテルで食べました。

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全国でも数少ないクラシックホテルのひとつで、そのメインダイニングという、普段と違う食事の雰囲気で緊張しましたが、どの料理も美味しかったです。和洋折衷の建築のホテル内には、いたるところに彫刻が施されており、日光東照宮など日本建築の意匠が散りばめられているようです。

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日光の世界遺産2社1寺の手前には大谷川にかけられた神橋という橋があり、拝観料をおさめて渡りましたが、先生はここで二荒山神社の焼き印がある木の杖(金剛杖)を買っていました。フィールドワーク後半の旅の間中、持ち歩くのは邪魔にならないかと心配になります。

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神橋は、日光を開いた奈良時代の勝道上人が激流を渡れずにいると、2匹の蛇が絡み合って橋になったという伝説がある朱塗りのアーチ型の橋ですが、明日お参りする二荒山神社の一部で、かつては神事のときや、将軍の社参、天皇のお遣いの勅使などだけが渡ったそうです。

日光田母沢御用邸は約1,300坪という大きな建築面積をもっている建物で、御用邸で使われた建築技術や伝統を伝える場となっています。

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大名紀州徳川家の江戸屋敷や、日光の銀行家の別荘、大正時代の新築部分など、いろいろな時代のいろいろな建物が混在していました。

天皇の別邸である御用邸は各地にあり、日光田母沢御用邸は大正天皇の御座所、御学問所などに使われました。ビリヤードが置かれた御玉突所と呼ばれる部屋があることには驚きました。

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部屋だけでなく庭園も綺麗で、どの季節でも楽しむことができるようです。

今日の移動範囲は日光市内だけで広くありませんでしたが、たくさんの美しい場所があることに気づけた日になりました。

(2年 神田 真歩)

9月9日(月)

今日は一日中、日光社寺文化財保存会の高橋俊雄さんにお世話になりました。
昨年、先生が二荒山神社の調査に呼ばれて、高橋さんと知り合い、今回も案内をお願いしたそうです。

まずは保存会に行って、保存会と日光の社寺の保存の歴史についての説明を受けました。

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1879年に発足した保晃会が現在の保存会の前身の組織であり、1970年から保存会になりました。建造物のみの修繕を行っていて、漆職人・彩色職人の方が6人、高橋さんを含む設計管理の方が6人の12人で実務にあたっているそうです。

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建造物の傷み具合に合わせて、半解体にして傷みが進んだ部分だけを交換するなどして修理しているそうです。保存会では以前から国産漆のみを使用するようにしていたところ、最近、文化庁が日光以外でも文化財の修理の際には出来るだけ国産漆のみ使用することにしたそうです。しかし、実際は国産だけでは漆が足りないため上塗りだけ国産を使用することになってしまうこともあると言います。

漆は15年から20年かけて1本の木を育て、そこから1度だけ漆を採るともう採れなくなってしまうことは、昨日のうるし博物館で学びました。高橋さんによると、国内では年間で2.4トンの漆が採れていたのが、採取する人の高齢化もあって、生産量は減少しつつあるそうです。その漆を、日光では年間500㎏から600kg、全国の約5分の1を使用しているとのことでした。

その後、高橋さんのご案内で、修理工事中の二荒山神社本社本殿を訪れました。

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日光に東照宮が来たことをきっかけに、二荒山神社は移動されていて、何度か建てたままの状態で「曳き屋」という方法で位置をずらしたり、屋根など一部改変されたりしているそうです。しかし、現在の東照宮よりも早い、当初の東照宮と同時期に建てられた日光山内で最も古い建物のひとつだと言います。

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修理現場では、足場にのぼって交換した木の焼き印や、樽木、銅板などを間近に目にすることができました。また、彩色途中のところでは、どのような順序で塗っていって仕上げるのかその工程も見ることができました。屋根だけで60kgの漆を使うそうです。

となりの輪王寺常行堂を参拝後、昼食をとりました。代々日光の社寺の漆の御用をつとめるお家がやっているお土産屋さん兼食堂で、2社1寺の境内のなかにある唯一のお店だそうです。

昼食後、日光東照宮や五重塔を見学しました。

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「見ざる言わざる聞かざる」で、有名な神厩や陽明門、家康のお墓、薬師堂の鳴竜をまわりましたが、東照宮でも本殿の修理工事が行われており、その現場も見せていただきました。

次に大規模な修理をするとすれば200年後のことだそうで、今回のフィールドワークに参加したからこその貴重な体験となりました。

最近修理を終えたばかりの日光山輪王寺三仏堂(金堂)、徳川家光の霊廟大猷院に行き、そこから二荒山神社の滝尾神社まで足をのばし、四本龍寺、本宮神社、本宮別所も案内していただき、もりだくさんな一日が終わりました。

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短時間で駆け足でしたが、高橋俊雄さんのご案内のおかげで世界遺産を満喫することができました。

(4年 渡邉 菜穂)

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④5・6日目 宇都宮~日光街道

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