人文学部 日本文化学科 ニュース

フィールドワークアーカイブ

 2023年9月3日〜4日、日本文化学科の学生15名の皆さんとフィールドワークに行ってきました。まだまだ暑さが厳しい中での実施となりましたが、有意義で楽しいひとときとなりました。前期授業期間において、事前学習として、松山と尾道の歴史や文化について講義を受け、グループごとに調査をしその成果をまとめたガイドブックも作成しました。

 今回は、その時の写真や、参加学生による振り返りコメントを取り上げながら、このフィールドワークを紹介したいと思います。

漱石・子規ゆかりの地「松山」

 初日は、広島港から出発し、スーパージェットに乗って松山観光港へ。松山市内は、お城が見えて、路面電車が走っており、少し広島と似ていますね。ただ、つり革には「みかん」がついていました!大きな荷物はこの日、宿泊するホテルに預けて、いざ松山を探索です。

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 まずは、「坂の上の雲ミュージアム」と「子規記念博物館」を見学しました。

松山では、至る所に夏目漱石や正岡子規などの痕跡を確認でき、本当にその時代に生きていたのだと改めて実感しました。特に「坂の上の雲ミュージアム」では、正岡子規と秋山兄弟関連の文章だけでなく、当時の日本の軍人の服や刀、当時の遊び、モールス信号など多くを見たり体験したりできて楽しかったです。(Y.M.)
松山では子規記念館で子規について学ぶだけではなく自分で短歌や俳句を作ってみることができるブースがあったり、松山市内のいたるところに俳句を投函できるポストがあったりと子規をきっかけに市民が俳句に触れる取り組みを町全体が行なっていることを学びました。(M.Y.)

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 そして、松山といえば、やはり道後温泉ですね。道後温泉本館は現在、大規模な修復期間中で、いつもとは違う裏側が出入り口になっていました。ある意味、この状態を見ることができたのも貴重かもしれませんね。ただ、本当に貴重だったのは、道後温泉別館・飛鳥乃湯泉における蜷川実花さんの作品の展示でした。展示は2024年2月末までですので、これを見ることができたのは幸運でした。

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風光明媚なまち「尾道」

 2日目は、しまなみ街道を通って、尾道へ。

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尾道を訪れるのは2回目だったけれど、ロープウェイや千光寺は初めてで、少し高いところから尾道の景色を眺めることができ、雰囲気を知ることができた。猫の細道も初めて訪れ、階段の石の割れ目や壁のひびなどを活用して猫が描かれているのを実際に見て、さまざまな工夫がされているのだと知った。(S.H.)

 暑くて猫も日陰に隠れていましたが、今回は初めて「猫の細道」に行ってみました。絵師の園山春二さんが生み出した「福石猫」を路地に置き始めたことがきっかけで、この愛称で呼ばれるようになりました。

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 最後は、JR尾道駅付近にある喫茶店で、あとばなしをしながら、ほてった身体を冷やしました。

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松山では道後を散策したことが印象に残っている。滅多に見ることができない坊っちゃん列車の方向転換に遭遇した。貴重な体験ができて嬉しかった。尾道は地元だが、文学の視点で歩いたことがなかった。文学のこみちには、たくさんの文学者の詩が書かれてあった。立派な林芙美子像も建ててあった。授業で勉強した後だから、実際に確認して学びを深めることができた。新しく出来た展望台に初めて登った。尾道の景色が一望できて、地元の良さを改めて感じた。クラスメイトたちと勉強を兼ねながら楽しく旅行できて、有意義な時間を過ごせた。(M.I.)


 歴史や文化に実際に触れながら、あっという間の中身の濃い2日間でしたね。

 今回のフィールドワークは全員で16名ということで、大勢での行動に少し心配しておりましたが、積極的に手伝ってくれたり、暑さで歩みが遅れている私に気付いたら横でぺースを合わせてくれていたり、皆さんの優しさにたくさん触れることができた2日間でもありました。

 今後も学科の皆さんと一緒に、是非、またいろいろなところに出かけていきたいと願っています。

(文責:足立直子)

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フィールドワーク

 2023年4月30日に、「地域連携文化セミナーⅡ」の授業で、安芸太田町神楽協議会設立記念 神楽共演大会を見に行きました。神楽の担い手が少なくなり、またコロナで神楽競演大会や奉納神楽を演じる機会が少なくなるなど、神楽を取り巻く環境は厳しさを増しています。神楽という貴重な伝統文化を守り、活性化するために神楽協議会が設立されました。広島女学院大学日本文化学科の学生たちは、花田植への参加など、安芸太田町と関わる活動を行ってきました。神楽の伝承についても、授業や課外活動をとおして深く学び、これからも積極的に関わっていきたいと考えています。

堀神楽団「羅生門」 (1).jpg

 今回、学生たちは「神楽の記録」(アーカイブ)電子版を作成するために、出演された神楽団のみなさんにインタビューを行いました。「神楽の伝統を記録するプロジェクトの企画書」や「安芸太田町の神楽の歴史を記録するためのヒアリング企画書」を学生たちが作成し、当日はこれをもとに、グループに分かれて活動しました。

 「神楽を継承していきたいという強い意志」「神楽団員としての誇り」「プロ意識」「技術の向上と新しさの追求」「新舞の魅力と旧舞の大切さ」「伝承の方法」など、さまざまなお話ができました。

 迫力ある舞、ストーリーの魅力、音楽のすばらしさ、衣裳の輝き、細やかな演出など、たくさんのことに感動しました。神楽団の方々との交流、すばらしい自然の中での食事のひと時など、心から楽しんだ一日でした。

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(文責 柚木靖史)

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フィールドワーク

2月22日~25日の4日間、厦門(アモイ)理工学院の学生10名と引率の先生1名が、本学に日本文化研修に来られました。厦門理工学院は中国南東部、福建省厦門市にある公立大学で、本学と交換留学協定を結んでいます。

研修生のみなさんは、外国語学部日本語学科の学生、3年生9名、2年生1名です。中には、前に日本に来たことのある方もいましたが、広島は引率の先生を除き全員初めてです。研修の目的は「日本の文化、広島の文化を体験し、理解を深める」ことです。この目的を果たすために、研修生のみなさんは、本学の教員が行う特別授業を受講したり、平和記念公園や宮島でフィールドワークを行ったり、本学の学生と文化交流を行ったりと様々な体験を行いました。

まず、1日目は、特別授業として「日本の漢文教育」「和装の歴史」の2つの授業を受けていただきました。日本文化学科教員の植西先生が担当した「日本の漢文教育」では、孟浩然の「春暁」という漢詩を取り上げました。日本では、中学生になってから習うこの漢詩を、中国では小学生の時に暗唱するのだそうです。今回は、読み下し文の音の響きも味わっていただきました。

「和装の歴史」は、人間生活学部生活デザイン学科の楢崎久美子先生にご協力いただきました。先生は、パワーポイントや持参の着物を使って、着物の模様の違いなど丁寧にわかりやすく説明してくださいました。授業の後半では、実際に、着物を羽織ってもらいました。

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この日のお昼は、ゲストルームで歓迎昼食会。湊学長が挨拶をされました。国が異なっても人と人との交流が大切という言葉が印象的でした。

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午後は、日本文化学科1年の留学生交流委員が企画した、文化紹介ゲームを行いました。実際に始まるまでは、だいじょうぶだろうかとハラハラドキドキでしたが、自作のゲームのルールをわかりやすく説明し、研修生のみなさんとゲームを通して楽しく交流をしていました。日文1年生の頼もしい一面を垣間見ることができました。

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2日目は、日本文化学科教員足立直子先生の「芥川と中国」の授業を受けていただきました。中国に伝わる伝奇小説『杜子春伝』を童話化した芥川龍之介の『杜子春』を取り上げました。

午後は、平和記念公園にフィールドワークに出かけました。資料館を見学し、その後、被爆アオギリ、原爆死没者追悼平和祈念館、慰霊碑、原爆の子の像、原爆ドームを訪れました。留学生交流委員1年のボランティア学生が、それぞれについて説明を行いました。この日は、最後に、頼山陽史跡資料館を訪れました。頼山陽は、江戸時代後期の儒学者です。学芸員の方に、頼山陽と中国とのつながりについてとても丁寧に説明していただきました。

3日目は、宮島でのフィールドワークです。厳島神社、大聖院、千畳閣を訪れました。この日も、担当のボランティアの学生がそれぞれについて説明を行いました。

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今回の研修は、お天気続きで、この日も快晴。文化や歴史についてしっかり学んだだけでなく、美しい島の景色を十分に堪能できたようです。

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4日目は、日本文化学科教員佐藤茂樹先生の「百人一首」の授業を受けていただきました。その後、日本文化学科柚木先生が担当された、和雑貨づくりを体験しました。平和への願いを込めて、折り鶴を折り、それをストラップにしました。折り鶴の折り方の説明は、この日の担当のボランティア学生が行いました。

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午後は、今回の研修の成果発表会を行いました。研修生のみなさん、成果発表会では何をするのだろう、成果発表うまくできるだろうか、直前まで少し不安だったようでしたが、それぞれの研修で何を学び、何を感じたのかを、堂々と発表してくださいました。みなさんの発表を聴き、みなさんが今回の研修の目的をしっかり果たせたことが確認できました。

修了式では、研修生のみなさんからメッセージの書かれた色紙をいただきました。みなさんの感謝の気持ちが伝わってきました。来年度は、女学院の学生が厦門理工学院を訪問します。お互いの文化の違いを体験しながら知れる何よりのチャンスです。是非、貪欲にいろいろなものを吸収したいと思います。

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