人文学部 日本文化学科 ニュース

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うさぎプロジェクトの立ち上げ

日本文化学科では、2023年、有志の学生さんと共に「うさぎプロジェクト」を立ち上げました。プロジェクトのコンセプトは「今年の干支であるうさぎを通して、日本文化について一緒に考えよう!」です。

さて、その第一弾のイベントである「大久野島体験」を2023年3月13日に実施しました。うさぎの島として世界的にも有名な大久野島では、たくさんの愛らしい野生のうさぎと触れ合えるととともに、かつて日本が秘密裏に毒ガス兵器を製造していた当時の建物が点在しており、平和について考えることもできます。

大久野島体験!

それでは、合計14名で訪れた「大久野島」での体験をご報告します!まず、実行委員の日文3年生のおふたりから、出席者全員にお手製のしおりが配付されました。大久野島の地図や、うさぎの生態、大久野島の歴史などが掲載されていて、当日はとても役に立ちました。

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大学から忠海港まではマイクロバスでの移動です。途中の小谷サービスエリアで休憩しましたが、皆、うさぎに早く会いたい気持ちでワクワクしています。

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忠海港から大久野島まではフェリーに乗りました。前日までの雨も上がり、海を見ながら爽やかな風をあび、気持ちのいいひと時でした。

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大久野島についてからは、皆さん、持参した餌をうさぎにあげることに夢中になりました。

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大久野島では、飲食できるレストランやカフェもあり、それぞれ楽しみました。

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大久野島は一周しても4キロほどなので、昼食後は、皆、それぞれ自由に散策をしました。「毒ガス資料館」では、日本の加害の側面と向き合うこととなり、平和について真剣に考える機会となりました。

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参加者の皆さんからの感想

食事も手軽に楽しめて、島の中を歩き回ってうさぎとふれあいながら大久野島の過去についていくつか知る機会になりました。うさぎの島であることは前から知っていたのですが、毒ガスが作られており、地図から消されてしまった過去があることは、今回資料館に行ったり、友達から教えて貰ったりするまで知らなかったので、こういった場所でただ楽しんで遊ぶだけでなく、平和学習が出来たのはとても良かったと思っています。

うさぎと触れ合うという貴重な経験はもちろん、毒ガス製造についての新聞記事なども読むことが出来て、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。一度は悲惨な過去のため地図からも消されたのに、今では海外からの旅行客も居て『隠さなければいけない歴史』ではなく『知らなければならない歴史』となっていることが素敵だなと感じました。ただ、原爆ドームを残す残さないという議論の時も感じましたが、歴史というのは人の意志によって無かったことにも出来てしまうことを実感しました。

大久野島に初めて行って、思った以上にウサギが多いことに驚きました。餌を用意すると元気に近寄ってきて、やさしくなでると気持ちよさそうに目を細めてとてもかわいく癒されました。また、ウサギだけでなく戦争資料に関しても所々に点在しており大久野島の歴史を感じることができました。人は立ち入れないがウサギは堂々と侵入しくつろいでいる場所があり、人の歴史はウサギには関係ないんだなと思うとともに自然と人間の関わり方について思いをはせることができました。人にとっては重要な資料でもウサギにとってはただの休憩場所なのだと考えさせられました。

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おわりに

皆さん、とても有意義な時間を過ごされたようですね。コロナ禍で、いろいろな行事が中止になったり、簡素化されてきたりしたこともあり、今回「楽しかった!」という皆さんの声に、引率者としても、とてもうれしい気持ちで一杯になりました。「今後も、さまざまな日本文化に触れたい」という声をたくさんいただきましたので、また一緒に企画を考えていきたいと思います。

*大久野島体験の様子は、オンライン型オープンセミナーB「うさぎの世界へようこそ!ー日本文化はかわいくて〇〇ー」でもご覧になれます。

オープンセミナーの情報は こちら

(文責:足立直子)
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その他の活動

連休前の4月27日(水)午後、本学初代校長ゲーンス先生の墓前礼拝に参加いたしました。
その日は、前日の雨もきれいに上がって、爽やかな日となりました。

いっぱいにお花が供えられた墓地を、集まった方々で囲み、お祈りと賛美歌のひととき。
日本文化学科からの参加は、1年生の白木陽和子さんと三村由衣さん、そして、小松明日佳先生と私(出雲俊江)です。

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高台にある比治山市民墓地には、ずっと気持ちの良い風が吹いていました。
若くして日本に来られ、一生を広島の地で過ごされたゲーンス先生の生涯を思いました。

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帰り際、振り返ると、木々の間から広島の市街地が一望されました。

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(文責 出雲)  

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10月21日(木)に行われた木曜チャペルで、日本文化学科3年生が「神楽の笛の音-伝統文化を受け継ぐ-」と題し、2名が笛の演奏を、2名が発表を行いました。


坂本奈水さんは、広島市内の神楽団に所属し、囃子手として活動しています。

物心がつく前から神楽に触れ、舞手に憧れを持っていましたが、未だ残る女人禁制の文化により、舞手になることは叶いませんでした。
この度の礼拝でも、素敵な笛の音を響かせてくれましたが、担い手となるはずの男子の神楽団所属が減ってきており、未来につなげていくことが難しいのではないか、と考えるようになったといいます。

坂本さんの紹介をしてくれた川口菜月さんも、坂本さんの話を聞き、しきたりにとらわれず、今の社会に合わせ、同じ志をもった男女が隔たりなく伝統芸能を守っていくことができる社会にしていきたい、と話してくれました。

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〈左:坂本奈水さん、右:川口菜月さん〉

松本初花さんは、県内の神楽団に所属し、神楽を彩る奏楽のうち、メロディーを担う笛を担当しています。
地域での活動以外にも、競演大会や各地での奉納、外国人観光客向けの演奏など、様々な行事に参加しているそうです。

神楽で学んだことは、自分を表現することや、周りを見て行動することの大切さ、神楽を伝承していくことの難しさだといいます。
伝承のひとつとして、神楽を身近に感じてもらうためのツアーを開催したり、子どもたちが神楽と直接触れ合い、体験できる場を増やしたりしていきたいと考えているそうです。
松本さんが奏でる笛の音色は、坂本さんの演奏と同様に、美しくチャペルに響き渡りました。

松本さんの紹介をしてくれた野口春香さんは、継承したいという気持ちが若者や海外の方に伝わるのは、松本さんたちのような方々の働きがあってのことだと語ります。

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〈左:松本初花さん、右:野口春香さん〉

伝統文化が薄れてくる中、若い世代が未来に繋げていこうとする姿に、励まされると同時に、改めて「自分たちにできることは何か」を考えるきっかけとなりました。

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