人文学部 日本文化学科 ニュース

その他の活動アーカイブ

7月3日(水)の放課後、国語科、家庭科、英語科の教員を目指す学生有志13名(1~4年生)と教員3名で、教員採用試験のグループワーク演習を行いました。

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演習時間は、約2時間、過去に出題された課題に、実際の試験同様の進行で取り組み、その後、それを検討するという内容です。 入室から退室まで、張り詰めた空気の中で、参加した学生たちは、精一杯発言し、また、他者の意見を真剣に聞いて、課題解決のための方法を探りました。

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検討会の場でも活発な意見交換がなされ、試験に向けていい準備ができたと感じています。 4年生のみなさんは、今回の経験を生かしてグループワークで力を発揮し、一次試験合格を勝ち取ってください!! また、下級生のみなさんのこの演習を生かしたこれからの学びにも、期待しています。

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6月26日、日本文化学科地域文化交流委員会は、県民文化センターで広島神楽定期公演鑑賞会を実施しました。

県民文化センターには、「人文学入門」受講生の「神楽を次代に伝えていくための提言」をお伝えしており、この日もたいへん温かく迎えてくださいました。

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当日は、北広島町の今吉田神楽団による山姥と葛城山の上演があり、華麗な舞いと楽の調べを堪能しました。

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上演後は、貴重な神楽衣装も着せていただき、その重みを感じることもできました。

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私たちは、この日の鑑賞会をふまえ、7月1日の放課後に、神楽の魅力についての座談会を持ちました。 「今回、初めて目の前で神楽を見ました」という Aさんは、次のように語っています。

映像とは比べものにならないほどの迫力で、一気に物語に引き込まれていきました。大太鼓、小太鼓、手打ち鉦、笛で、その物語の雰囲気をつくり、演者の舞いで一つの物語を完成させていく。舞台から熱気を感じました。また、会場にいる私たちがまるで物語に入り込んでしまったのではないかと思わせる、そんな空気を感じました。

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まさに、伝統文化を「体感」しての感想だと思います。まだ神楽の舞台を直接には見たことのない多くの若い人みなさんに、ぜひお祭りや公演に足を運んでほしいと思いました。

神楽を見るのは2回目というBさんも、「同じ場にいる人の心が一つになっているような感覚になる」と言い、さらに次のように述べています。

神楽は、神楽団と観客を繋ぎ、観客と観客を繋ぐ。その瞬間、私はいつも感動と喜びを皆で共有しているようで嬉しくなる。神楽は人と人を結び、繋げる力がある。さらに、日本の神話や伝統を知り、興味を持つことができるのも神楽の魅力である。

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また、「大学生になって、本格的に神楽を見たと感じた」というCさんは、衣装に着目して、次のように神楽の魅力を語りました。

一番に思い浮かんだのは、華やかな衣装だった。舞う度に衣装がひらひらと動いている様子を見ていると、とても惹きつけられる。衣装の早着換えも素晴らしいと思った。何度か変化したが、いつの間にか柄が変わっており、驚いた。

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「終了後に衣装を着ることができ」たことも、Cさんにとって「とても嬉しい」体験だったようで、神楽を「より身近に感じ」ることができたそうです。

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Dさんは、神楽団で長く活動を続けています。Dさんは、衣装について次のように言います。

神楽団や舞手の人は、衣装にこだわりを持っていることが多い。衣装には、役柄を表す役割がある。例えば、ある演目に楠木正成が登場するとき、楠木の紋章が刺繍された衣装を身につける。他にも一つ一つの刺繍や衣装の色を見ることも面白い。姫の衣装には蝶が刺繍してあったり、鬼の衣装には龍や虎の刺繍がしてあったりする。神楽の衣装は、色とりどりで、金色の中に黒や赤が入っていると、かっこいいと私は思う。

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Dさんは、また、神楽は、「「舞」、「楽」、「飾り」の三つからなる総合芸術」とまとめています。

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鑑賞と話し合いを通し、私たちは神楽の魅力についてより深く考えることができたように思います。さらに神楽にふれ、伝統文化に考える機会を重ね、これからも発信を続けていきたいと思います。 また、日本文化学科では、夏のオープンセミナーでも神楽の魅力にふれる場を設定しています。セミナー「踊ってみよう田楽!ふれてみよう神楽!~日本の伝統文化~」では、体験を通して伝統文化の魅力を体感し、その継承について考えます。高校生のみなさんのお越しをお待ちしています。

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「紫や赤、桃色がよく映えた早乙女の衣装はとても素敵でした」、「早乙女の衣装は、ずっと着てみたかったので、着ることができてうれしかったです。とても可愛く、友達と何枚も写真を撮りました」、初めて早乙女の衣装に身を包んだ参加者の感想です。

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5月19日(日)、国際教養学会の行事として、今年も安芸太田町の殿賀花田植に参加しました。この取り組みも、今年で3回めとなります。参加者は18名。国際教養学科だけでなく、日本文化学科、生活デザイン学科、児童教育学科からも参加がありました。そのうち15名が早乙女として田楽を踊り、田植えを行いました。今までで一番の参加人数で、応募枠は1週間で一杯になりました。

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着付けと田楽の所作は、今年も地元の方々が丁寧に温かくご指導くださいました。初めて早乙女の衣装を身につけたときは、「お腹を紐と帯できつく締められて少し苦しかったけど、同時に気持ちも引き締まった」そうです。

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「私たちを温かく迎えてくださってうれしかった。田楽の披露や田植えを頑張ろうと思った」という声もありました。

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初参加の学生たちは、「所作を覚えられるかな? 本番で忘れてしまったらどうしよう!!」と不安も一杯だったようですが、「優しく近い距離で教えてくださり、本番で声かけまでしてくださったおかげ」で、無事、田楽も踊り終えることができました。

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次のような、初めて田に入っての驚きと感動の声も上がっています。

○田植えは初めてで、思っていたよりも深いことにびっくりしました。表面は日が当たっていてじんわりと温かいのですが、田んぼの中はひんやりとしていました。土が足にまとわりつくような、一歩進むにも全身の力を使うような感触が、とても不思議に感じました。

○田植えも初めて経験しました。最初は、素足で田んぼの中に入るのは、正直少し抵抗があり、とても緊張していました。しかし、勇気を出して入ってみると、意外と泥が気持ちよかったです。みんなで横一列に並び、苗をまっすぐに植えていきました。

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実家での田植えを経験している学生からも、次のような声がありました。

○田植えは重機でやっていくものだと思っていた。祖父母の田んぼでは重機だからだ。でも、足を踏み入れると、少しの気持ち悪さとそれ以上に田の温かみを感じた。私たち大学生だけでなく小さな子どもや中学生も来ていて、様々な年代の人と話しながら作業できたことは私の中で貴重な体験として残るだろう。年齢に関係なく、人と人との距離がものすごく近いと感じた。

地元の子どもたちとの交流も心に残るものだったようで、次のような感想も届いています。

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○たくさんの子どもたちが田植えに参加していて、とても楽しかったです。田植えが終わり、足を洗う順番を待っていると、子ども連れのお母さんに、「一緒に写真を撮ってください」と声をかけられ、写真を撮りました。「とても華やかで、奇麗ですね」と言われ、嬉しかったです。

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あこがれの早乙女の衣装に袖を通し、年齢を超えた交流をした経験は、いつまでも大切な思い出として残ることと思います。

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同時に、このようなかけがえのない広島の伝統文化が、急速に進む少子高齢化の中で、今のうちに若い世代がバトンを受け継がないと、その継承が困難な状況になっていることについて、考え、自分に何ができるだろうかと思いを巡らせた参加者も少なくありませんでした。オランダ人の友達に日本の伝統文化について伝えたいという学生は、地元の方々の思いをうかがい、次のように綴っています。

○今回、実際に花田植に参加して、地元の方々が「伝統文化を守りたい、残していきたい」と強く思われていることを知った。-中略-少子高齢化などのために、途絶えてしまいそうな伝統が、多くあるのではないかと感じた。実際に、伝統文化を守るために、残すために、どうすべきかという課題を解決する必要がある。オランダ人の彼女には、文化を伝えるとともに、日本文化が直面している課題があることを伝えたい。また、彼女が理解することで、文化の価値と継承のための課題を共有し感心を持つ人が、一人でも増えてほしいと思った。

若い世代の一人としての関わり、世界への発信など、私たち広島に学ぶものとして、今、何ができるかを考え、行動を起こせればと思います。「日本を伝える英語」の授業で学んだことなども、このような取り組みに役立てられればと思います。

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午後には、夏のオープンセミナーにも来ていただいた堀子ども神楽団のみなさんによる「塵倫」を、みんなで鑑賞しました。

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小さい頃から花田植に参加したり、子ども神楽の上演に力を注いだりしている地域の子どもたちの姿からも、学ぶことが数多くありました。                       

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