人間生活学部 管理栄養学科 ニュース

ゼミアーカイブ

市川ゼミでは、「夜遅い食事は歯周病のリスクをあげるか」というテーマで、食事の質と摂取時刻が歯肉の炎症に与える影響について研究しています。学内の学生から被験者を募り、20代女性が平均的に摂取している食事(高脂肪食・低食物繊維食)と、日本人が健康のために摂取すべき栄養量を満たしたバランスのよい食事の2 種類を、1 日3 回規則正しく食べる場合と夕食を夜遅く食べる場合の4 つの組み合わせで比較しました。

こちらは試験食を調理している様子です。

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朝食や夜遅い時間の食事は自宅で食べてもらうので、持ち帰りできるよう料理を真空パックして、冷蔵または冷凍保存をして提供しました。

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左側はバランスのよい食事で、右側が高脂肪・低食物繊維食です。どこが違うかわかりますか?

バランスのよい食事は主食を玄米ご飯とし、野菜が1 日350g 以上、食物繊維は20g 以上とれるように考えました。高脂肪・低食物繊維食では主食を白ご飯やパンにして、野菜料理が1 品少なく、油を多く使う料理を組み合わせました。
試験食の栄養条件に合わせて献立を考えるのはとても大変でしたが、毎日、被験者の食事を準備するのも試行錯誤の連続でした。

さらに・・・
8 月のオープンキャンパスでは、500 円で健康なランチを選んでもらうチャレンジ体験を行いました。
参加者の皆さんが選んだ料理の栄養計算をして食事のバランスをチェックしたり、買い物や普段の食生活で気にかけてほしいことなどについてお話しました。
高校生だけでなく、一緒に来られた保護者の皆様にも楽しんでいただけて私たちもやりがいを感じました。

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現在は12 月の卒論発表に向けて、研究データをまとめて卒業論文を作成しているところです。
少人数で大変な面もありますが、みんなで協力して毎日過ごしています。

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野村(知)ゼミの現在の卒論テーマは大きく2つです。今回は、そのうちの一つ「ソースの焼成によるにおいの変化」の卒論についてご紹介します。

nomura.jpg野村知未ゼミソースが焦げる香りは、食欲をそそりませんか?「美味しさ」に関わる要因は様々ですが、「におい」は食べる前に美味しさを判断するものであり、食行動を起こすか起こさないか、重要な因子となります。そこで現在は、「焼きそば」を試料として、ソースが鉄板で焦げていく過程の香りの変化について研究をしています。実験結果の再現性を高めるため食品試料の大きさや、加熱温度や時間等、調理条件を詳細に検討し、試料調製時は緊張感が高まります。実際は,写真のように試料調製した焼きそばの「におい」を回収し、機器分析を行います。この写真は、オープンキャンパスの際に実験内容をまとめた物をポースターで紹介しました。

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実験はもちろんですが、現在の研究テーマに関係する論文を読むのも卒業論文執筆にむけた大切な準備です。こちらの写真は週に1回ゼミで行っている論文輪読会の様子です。
今年のゼミ生は8名です。性格はそれぞれ違うけど、みんな調理するもの食べるもの大好き!食べ物の話になると、話がはずむ元気いっぱいの8名です。

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卒業論文をまとめることも大切な仕事ですが・・・

nomura5.jpgもちろん、来年3月の管理栄養士国家試験に向けて、毎日、勉強だって頑張ります!

今年の夏(7月10日)に行われたオープンキャンパスでは、チャレンジ体験「ふわふわ大作戦!~美味しいカップケーキはどう作る?」を担当しました。ケーキがオーブンの中でふっくらと膨らむにはどんな科学的根拠があるのか。難しすぎず高校生へ調理の理論を楽しく学んでもらえるようよう、何度も試作をして説明用のスライドも本番に向けてブラッシュアップしていきました。
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「カップケーキの材料、卵を泡立てることでその泡一つ一つが180℃のオーブンで約1.5倍に膨張してオーブンから出てきたカップケーキはふわふわに大変身。気泡は絶対温度に比例して膨張するよ、生地を混ぜるときにはこの卵の泡を潰さないように練らないように混ぜることが大事ですね」迎えた本番、高校生がとても楽しそうに参加くださいました。
普段何気なくしている調理ですが、温度やpHなどの変化によってそこにはたくさんの化学変化が起きています。料理を実験対象としますので、再現性ある実験試料調製には少し辛抱が必要ですが研究は楽しいですよ。

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野村(希)ゼミでは、『疾病治療を目的とした食事』に関する卒業研究に取り組んでいます。

テーマ①「汁物に飯を組み合わせた時の汁の塩味の嗜好性」

これは、主に血圧の高い方や心臓に疾患がある方等に勧められる「減塩食」に関する研究です。「減塩食」は、継続的に摂取する必要がありますが、「薄味にしても美味しく食べられる」塩分濃度の範囲は明らかではありません。そこで、1食あたりの塩分量が多いことから敬遠されがちな汁物を取り上げ、汁物の許容できる塩分濃度の範囲を把握することを目的に、ここ数年継続して取り組んでいます。

具体的には、同級生や下級生に協力してもらい、汁に飯を組み合わせて食べた時の、汁の『塩味の感じ方』や『塩味の好まし
さ』を答えてもらう検査を行っています。味の感じ方は様々な条件で変わるため、同じ条件で検査ができるよう練習を何度も行い準備します。検査が始まると、正確な塩分濃度の汁をタイミングよく提供するため、進行状況をみながら作業を進めます。一度の検査ですぐに結論が出るものではありませんので、検査を繰り返し、データを積み重ねています。

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DSCN0703.jpgテーマ②「治療食献立の栄養量に影響をおよぼす要因の検討」

疾病治療を目的とした食事は、1日のエネルギー量や栄養素量が治療ガイドラインによって示されています。しかし、献立内容は毎日異なるため、エネルギーや栄養素の量は一定ではありません。 この研究では、患者さんにとって身近な市販献立本に掲載された献立を資料として、治療食の1日ごと、1食ごとのエネルギーや栄養素の量および変動幅と、それらに影響をおよぼす要因について明らかにすることを目的に検討を行っています。これまでに、糖尿病の治療食では献立作成方法の違いにより、栄養素量に差が生じることを明らかにしました。今後は、食品の使用頻度や、使用の有無による献立内容の違いについても解析し、これらが患者さんの食習慣にどのように影響するかという視点からも検討を進めたいと考えています。

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ゼミ生は仲が良く、楽しむ時は賑やかですが、卒業研究ではしっかり切り替えて、コツコツ取り組んでいます。

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