人文学部 日本文化学科 ニュース

2022年11月13日(日)、広島工業大学広島校舎にて第31回「日本語による世界平和弁論大会」(ヒロシマ・ピース・センター主催)が開催され、広島県に在住する外国人留学生が「世界平和」をテーマとする5分程度のスピーチを行いました。

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本学からは人文学部日本文化学科のホァン・ティ・ハイ・グエンさんとチャン・ティ・トゥイ・リンさんの2名が出場し、それぞれ3位と4位に入賞しました。

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グエンさんは「私の世界を変えた笑顔」というタイトルのスピーチを行いました。

グエンさんは日本語を勉強するために広島に来たばかりのころ、友だちもできず、毎日部屋の中にとじこもって暗い日々を過ごしていたそうです。しかし、ある日、日本語学校に行く途中、反対側から歩いてきた見知らぬおばあさんに笑顔で「おはようございます!」と声をかけられグエンさんも「お、おはようございます」とあいさつを返しました。その日学校に行き、自分からクラスメートに笑顔で「おはよう」と声をかけてみたところ、クラスメートは「おはよう」というあいさつだけでなく、たくさんグエンさんに話しかけてくれ、そこからグエンさんの世界が変わっていったそうです。グエンさんは、自身のこのような体験を紹介した後、「みなさんも笑顔で世界を変えましょう!」と会場の人々に呼びかけました。

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リンさんは「広島から学ぶ世界平和」というタイトルのスピーチを行いました。

リンさんは、まず「平和とは何か」を定義しました。リンさんによれば平和とは私たちが調和のとれた生活をしており、競争や争いがない状態を指します。次に、広島への原爆投下、長崎への原爆投下がもたらした被害、ロシアによるウクライナ侵攻がもたらした被害を取り上げました。そして、世界の人々が経済的な協力だけでなく、文化交流も強化し、国家間の相互理解を深め、互いに親近感を持つようにすることが平和のために必要であることを伝えました。また、戦争のような喪失や分離の痛みに苦しむことなく、自由に自分の情熱を追求できることが幸せであり、すべての人の目標であると訴えました。

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二人ともやや緊張しながらも、まっすぐ前を見て、観客にしっかりと自分の想いを伝えました。本当によくがんばりました。この経験が大きな自信につながったと思います。他の出場者の発表も平和への想いを強く訴えるすばらしい発表でした。それぞれの国の背景や価値観を通して見たときの平和について考えることのできる貴重な時間でした。

文責:渡邊ゆかり

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2022年10月17日~21日の5日間、「日本語教授法Ⅲ」の受講生2名が、広島市内の日本語学校で日本語教育実習を行いました。主な活動は、授業見学、教壇実習の準備、教壇実習の3つです。10月26日の「日本語教授法Ⅲ」の授業では、学生たちに今回の実習報告を行ってもらいました。

まずは、使用した教材や教案を見せてもらいながら、どのような活動を行ったのかを簡単に説明してもらいました。

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このあと、実習に関する私の質問に答えてもらいました。

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今回、二人は、教壇実習で初中級の学習者を対象とした聴解の授業と文法の授業を担当しました。いずれも苦労したところは、学習者が新しく習う文型の導入でした。文型を教える授業では、習った文型が「言える」ようになるための口頭練習や「使える」ようになるための会話練習を行います。導入は、そのような練習に入る前に、その文型の使い方に関する知識を身に付ける部分です。

具体的にどんなところが大変だったのかをたずねました。

3年生のゴ ゴック カインさんは、自身が担当した授業の導入で、新しく習う文型を使った発話を学習者から引き出すための質問をしたところ、期待した答えが返ってこなかったことがあったそうです。そのときは、自分と関わる例文を示して意味を理解してもらうことができたそうです。

同じく3年生の横尾百香さんは、今回の実習をとおして、授業内でどんな練習を行うのかということから逆算して導入を考えることが必要であることを学んだそうです。

このほか、
「これまでは教案を作るときに文法をわかりやすく教えることばかり考えていたが、学習者に楽しんでもらえる活動を考えることも大切だと知った」
「学習者の質問に対して、答えを一方的に教えるのではなく、学習者に考えさせながら答えを導くことが必要であると気づいた」
「先生は学習者をたくさんほめて学習者に自信を持たせていた」
「先生の雑談もただの雑談ではなく、実はその日の学習項目と関連づけられていた」
「人前で話すことはあまり得意ではなかったが、実習をとおして人前で話すことに自信を持てた」
といった意見が出されました。

最後に、今回の実習を終えての感想をたずねたところ、二人とも晴れやかな表情で「楽しかった!」「今回お世話になった先生方に心から感謝しています」と言っていました。

これらの報告から彼女たちが主体的な学びをとおして新たな視点を得られたこと、またそのことをとおして大きな達成感を得られたことがわかりました。お世話になった日本語学校の先生方には、今回このような貴重な経験の場をいただけたことを心より感謝申し上げます。

二人は、現在、広島女学院大学の「日本語教授法Ⅲ」の授業で引き続き中級学習者用の教材分析を行っています。また、2年生を対象とした「日本語教授法Ⅰ」では、来年度、実習に参加する予定の受講生の教材分析、模擬授業が始まりました。彼女たちも来年の実習に向け、必要な知識とスキルを着実に身に付けていってほしいと思います。私もそのためのサポートをしっかり継続していきたいと思います。

(文責:渡邊ゆかり)

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教職課程

 合格おめでとうございます!

今年も日本文化学科の教職希望者は5名。
そのうち2023年度公立教員採用試験に2名が合格!
素晴らしい成果に、一緒に勉強してきた3年生も含め、みんなで喜びました。
公立以外の3名はそれぞれ第一希望の私立学校で、来年度から教壇に立ちます。

教職希望の4年生は大忙し


5~6月実施の教育実習を無事終えて、
実習の感激も醒めやらない7月後半、
それぞれ希望の自治体の教員採用試験を受験します。

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8月初旬、1次合格の発表後、早速2次試験対策が始まります。
2次対策講座では、他教科の受験者も一緒に必死で準備。
お盆の間もSNS等を活用して模擬授業練習に取り組んだりなど、頑張った甲斐がありました。

おかげさまで、国語も含め、2次試験勉強会の参加者はみんな合格でした!
みなさん本当によく頑張りました。おめでとうございます。

 <公立教員採用試験 受験結果報告>


   広島市中学校国語 1名
   愛媛県中学校国語 1名

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※画像は教育実習の一コマです。

(文責:出雲俊江)

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