人文学部 日本文化学科 ニュース

植西浩一先生が担当する「キャリア・スタディ・プログラムⅢ」(2年生の科目)では、自分の関心のある仕事について調べたり、自身のライフ・キャリアについて考える活動を行っています。その成果をまとめた冊子が今年も完成しました!

以下のような表紙(学生が作成)と目次の77ページからなる冊子です。

私のライフキャリアビジョン.jpg

  • 目次 p.1
  • 私のライフ・キャリア・ビジョン p.2~p.26
  • 私の仕事 p.27~p.68
  • 大切にしてきた言葉 p.69~p.76
  • あとがき p.77

キャリアとは、決して賃金を対価とする就労経験のみを指すわけではありません。人生という道を歩む中で体験したことすべてがライフ・キャリアです。これから歩もうとする道を考える上では、何になるか、何をするかだけでなく、生きる上で自分は何を大切にするかというビジョンも必要です。ライフ・プランが思い描いた通りにいかないときも、何を大切にするのかというビジョンは生きる上での支えになります。

今回の「私のライフ・キャリア・ビジョン」の報告には、「生きていく上で大切にしたいこと」という内容が含まれていました。では、学生はどんなことを大切にしたいと考えているのか、報告書に書かれていたことを一部ご紹介します。

★★★大切にしたいこと★★★

  • 何があっても客観的に見てみること
  • 趣味を大切にすること
  • 出会い
  • 総合的に自分の生活に満足できること
  • やるべきだと思ったらそのときすぐに行動をおこすこと
  • 自分のためになると思ったことはなんでも取り入れて自分の力にする向上心
  • 一人でいろいろためこまないこと
  • 自分の時間をしっかり作ること
  • できることを精一杯すること
  • 一週間で必ず一冊は本を読むこと
  • 人を大切にすること

このような生きる上での指針はきっと将来の自分の支えになることでしょう。この冊子には、この他、学生それぞれが「大切にしてきた言葉」すなわち、座右の銘も書かれていました。どれも一人一人が自分自身を励ましたり勇気づけたりするすてきな言葉でした。この冊子の後書きには授業を担当した植西先生の次のような言葉がありました。

思いもよらぬコロナ禍の中、就職活動も先が見えにくくなっています。採用状況も、コロナ前とコロナ後では、大きく変わりました。このような状況下にあっては、就きたい仕事に特化して「就活」を進めるだけでなく、社会の動向を見定め、自らのライフキャリアビジョンを思い描いて、将来の道を切り拓いていく必要があると思います。日本文化学科の「キャリア・スタディ・プログラムⅢ」の授業でも、この点をふまえつつ、どの業界・業種にも通じる言葉の力を培うとともに、どのような生き方をしたいかを問い、また様々な生き方や仕事のあり方にふれながら、ライフ・キャリアについて考えることを大切にしてきました。

どのような生き方をしたいのか自らに問い、生き方に対する他者のビジョンにもふれることで、自分自身のビジョンもさらに広がることでしょう。この冊子を作成した学生たちは、新学期から3年生になります。コロナの影響でまだまだ様々な活動が制約されるでしょう。ですが、そんな中にあるからこそ生きる上で自分は何を大切にするかというライフ・キャリア・ビジョンが残りの学生生活においても大きな支えとなると信じています。

文責:渡邊ゆかり

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3月8日は、国連が定めた国際女性デーです。毎年、世界各地で様々な記念行事や催しが開かれています。女性の日を祝うイベントを開く女子学生やジェンダー格差の解消を求めてデモ行進をする女性。そんなエネルギッシュな世界の女性たちの姿を毎年うらやましく感じていました。日本でも、確かに各地でイベントが行われていますが、残念ながら、国際女性デーの認知度はかなり低く「そんな日あったの?」と思う人が大半だと思います。3月3日のひな祭りがあるからいいではないかと思われるかもしれませんが、ひな祭りは、日本限定。3月8日は、世界規模で女性であることをお祝いできる日なのです。そして、ジェンダー格差のない平等な社会の実現に向けたアクションを起こす大切な日なのです。

ということで、ひそかに日本での国際女性デーの認知度をあげるべく、学生たちに、世界中の女性が平和に安心して活き活きと過ごせることを願ったイラストやメッセージを募集しました。この企画を思いついたのが2月の半ばすぎで、国際女性デーまで日にちがあまりなかったのですが、そんな中、賛同してイラストやメッセージを送ってくれた学生がいました。今回はそのイラストとメッセ―ジを紹介します。まずは、イラストです。

こちらは、世界の女性たちとのつながりを感じることのできるイラストです。1人1人の力は小さくても、つながることで大きなパワーが生まれます。つながりの輪が広がりますように。

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こちらは、S.Cさんのやさしさがあふれるイラストです。見ているとほっとします。暴力や紛争の恐怖で苦しんでいる人々に、安心して穏やかな気持ちで過ごせる日が訪れますように。

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こちらも、かわいらしく活き活きとしたイメージが伝わります。1人1人が感謝と敬意の気持ちを持ってミモザの花にように明るく生きられますように。

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忙しい中、私の呼びかけに応じ、女性の幸せへの願いをたくさんつめた、すてきなイラストを作成してくれた学生に心から感謝します。

そして、次のようなメッセージももらいました。

「世界中のすべての女性が平等に教育を受けることができ、安心して暮らすことができる社会になりますように。」

「女性が安心して生きられる世界を、私たちで作っていく。」

「女性と男性が『同じ目線の高さ』を実現できますように。」

想いを言葉にすることは、社会を変えるための第一歩です。メッセージをくれた学生にも心から感謝します。

なお余談ですが、HAPPY WOMAN 実行委員会が表彰する2021年のHAPPY WOMAN AWARD for SDGs個人部門では、女性の力による持続可能な社会づくりに向けた挑戦や活動を行い、今後を期待できる個人として7名の女性が表彰されました。その中には、サンリオのキャラクター「キティちゃん」も入っていました。キティちゃんの愛らしい姿も、私たちをハッピーな気持ちにさせてくれます。1974年生まれのハロー・キティちゃんは、現在、SDGsの活動に取り組んでいます。どんな活動かは、hellosdgs.comを見てくださいね。

(文責:渡邊ゆかり)

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「国語科教育法Ⅳ」では、一昨年度よりデジタル教科書を用いた50分の模擬授業を受講生に課し、デジタル教材やデジタル機器を使いこなせる国語科教員の育成を目指してきました。

今年も前半は、デジタル教科書の様々な機能を用いた模擬授業とその検討を行い、学び合いを進めてきました。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大で、12月から急遽オンライン授業の実施となりました。模擬授業をどうするか悩むところでしたが、これからの教員にはオンライン授業も求められる可能性が高いことから、Googlemeetを用いた50分のオンライン模擬授業の実施に踏み切りました。たいへんな課題だったと思いますが、受講生は工夫と努力を重ね、みごとに授業をやりきりました。

オンライン模擬授業.jpg

チャット機能を駆使しての双方向的な交流、WordやPowerPointをうまく用いての板書、ポイントを押さえての画面共有や動画の使用など、多くの成果がありました。同時に、やはり対面でないためのコミュニケーションの難しさ、机間指導がができない中でのこの状況の把握の方法、チャットと音声の使い分けなどの課題も見えてきました。

受講生から出された気づきの一端をご紹介します。

○オンラインの模擬授業の準備に際して、まずはmeetの様々な機能を理解することから始め、オンラインだからこそ可能な授業内容について考えました。

○授業内容と並行して生徒からのリアクションが随時見られるという利点を実感しました。

○チャットを用いることで、一人ひとりの意見がより明確に理解できたり、コピー&ペーストすることで板書を短縮することができたりしたと思います。

○チャットでは、一時退出してしまうと消えてしまうことや、生徒の書き込む時間がばらばらでどこまで待てばいいか分からないこと、できた人の答えから見えてしまうことなどがデメリットだと思いました。

○生徒側で授業を受けているときは、先生や他の生徒の顔+PowerPointが見えていたので、まさかスライドショーにすると、PowerPointが全画面になるとは思いませんでした。また、解答をアニメーションで出すようにしていたので、編集画面で授業を進めるなど臨機応変に対応することができませんでした。

○特に縦書きが主である国語科で、そのような機能を備えたソフトを見つけることができず、ワークシートを使うことがあまり適切でなかったかもしれないと反省しました。

○画面共有する資料が複数ページにまたがってしまうと、生徒が見返したくてもできない点に気をつけなければと思いました。事前に配布できる資料は提示しておくなどの対応もいると思います。

○教師の表情がかなり暗く見えてしまうと感じました。ライトのあて方も工夫する必要があると思います。生徒が教師の表情を見やすくなる分、教師の表情が与える影響も大きいと思います。

成果を大切にし、課題の克服のための工夫を重ね、さらに授業力を伸ばして、オンライン授業もできる実習生として教育実習に望んでほしいと願っています。

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