人間生活学部 児童教育学科 ニュース

鯨岡峻先生をお迎えして、幼児教育心理・児童教育学会春季講演会を開催
学会

5月26日(土)、幼児教育心理学会の2018年度総会及び春季講演会が実施されました。今年から、児童教育学会が新たに発足し、幼心学会とともに活動することになりました。

総会では、2017年度の活動報告、決算、児童教育学会の規約、2018年度の新役員と予算が承認されました。児童教育学会の新役員には、23名もの1年生が立候補してくれました。

副会長の井手佑美佳さんはじめ、総会をもって引退する3年生の役員の皆さん、長い間お疲れ様でした。

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春季講演会では、鯨岡峻先生を講師にお迎えし、「子どもとの接面における保育者の「保育する」営みを考える―子どもの心の動きに目を向けるためにー」というテーマでご講演をいただきました。目には見えない子どもの心を理解するために、計量的手法ではなく、「エピソード記述」という質的手法を紹介した「保育のためのエピソード記述入門」(ミネルヴァ書房、2017)はじめ、近著「関係の中で人は生きる」(ミネルヴァ書房、2016)など多数の研究書を出版されています。

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鯨岡先生は、保育の中で最も重要な「子どもの心を育てる」ためには、「子どもの姿」「ねらいと保育の内容」「内容の取扱い」を分断して考えるのではなく、子どもの心の動きや葛藤と、それに対応しようとする保育者の心の動きの関係性を切らないで、「いま、この時」の子どもの心の動きを捉えなければならないとお話されました。

子どもの心には常にプラスとマイナスの二つの側面があり、子どもの負の心の動きをできるだけ前向きの動きに転換するためにはどうすればいいのかを、保育者の「養護」と「教育」の働きについて、「竹馬」のエピソードを用いて具体的に教えてくださいました。

エピソードから、「養護」と「教育」の働きはやじろべえのようなバランスの上に成り立っており、子どもの心の動きをその瞬間ごとに捉えながら、それに応じた働きかけをすることが子どもの心を育てる保育だということがよく分かりました。

子どもの思いがつかめた瞬間の、子どもと保育者の「接面」とはどのような場(空間)であるのか、これから実習に出る1,2年生の皆さんには保育現場でつかんできてほしいと思います。

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ご多用のなか、広島までおいでいただいた鯨岡先生、多数ご来場いただいた幼稚園、保育園、こども園の先生方にも、の場を借りてお礼申し上げます。

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