2023年11月25日(土)に、卒論委員の吉廻先生を中心にお世話いただき、管理栄養学科の卒業論文発表会が開催されました。
今年は各研究室から下の14題の発表があり、会場では発表に臨む4年生、これから研究室配属になる3年生、そして教職員が、各ゼミの研究成果発表を聴きました。
野間研究室
・長寿食栄養成分における神経細胞への効果について
石長研究室
・Visual Reality(VR)を利用した食欲を増進させる空間演出の模索
・食嗜好の違いとその食物のにおいに誘導される食欲の程度との関連
渡部研究室
・型焼き和菓子における地域ならびに世代間でみた喫食状況の比較
市川研究室
・若年女性における歯肉炎の有無と食事摂取状況
佐藤研究室
・エスプレッソにおけるクレマ生成に関する研究
・さつまいもアイスクリームによる栄養素の摂取可能性
土谷研究室
・ポリフェノール(カテキン,クルクミン)による酸化ストレス誘導性のMAPK(p38, ERK, JNK)の活性化の変化
・インスリンシグナルに対するポリフェノールの効果
妻木研究室
・小児食物アレルギーデイキャンプでの取り組みと課題~第14報~食物アレルギー患者の旅行における宿泊施設の現状
・高糖質培養条件下におけるRBL-2H3細胞のアレルギー関連遺伝子発現に及ぼす影響
近藤研究室
・大判焼きのテクスチャーからみる地域特性
溝口研究室
・微生物検査を踏まえた広島菜漬の安全性向上に関する検討
吉廻研究室
・青年期における食品の多様性が口腔機能および気分状態の及ぼす影響について
1演題ずつの発表後の質疑応答では、多くの質問や助言があり、発表者の学生たちは時に相談し、すべての質問に対して回答しました。最後までやりきった思いが伝わる内容でした。
会の終わりに、管理栄養士養成課程担当主任の土谷先生から、総評がありました。
これから本格的な国家試験学修に臨む4年生も多いのですが、そこで学ぶ知識の一つひとつが、根拠をもとに明らかにされてきたことであり、4年生もこの卒業研究で、新しい根拠のある知見を導く過程にしっかり与してきたこと、その研究の難しさに立ち向かってきた経験と自信を、今後に活かしてほしい、との言葉がありました。
12月になりました。学科4年生全員が卒業論文を提出しました。研究をやり遂げた自信を胸に、卒業までの期間を力いっぱい歩んでいただきたいと思います。
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管理栄養学科3年生は給食経営管理実習で特定給食施設を想定した大量調理を実施します。
今回は病院給食を想定し、対象者に合わせてテーマを決定して実習を行いました。
病院では治療の一環として給食が提供されています。一般食をエネルギーコントロール食、たんぱく質コントロール食に展開し、食材の特徴を把握し、満足度の高い治療食のメニューを考案しました。
Aクラス:11月1日(水)テーマ「ハロウィン後夜祭」
【一般食メニュー】ライス、豚肉のトマトソースかけ、パンプキンハロウィンサラダ、コロコロかぶスープ、コーヒープリン~マロンソース~
【エネルギーコントロール食】ライス、豚ヒレ肉のトマトソースかけ、パンプキンハロウィンサラダ、コロコロかぶスープ、リンゴ
エネルギーコントロール食に展開したメニューは、肉の部位を変更したり、エネルギーの高い食材の量を抑えるなどの工夫をしました。
【たんぱく質コントロール食】低たんぱくごはん、豚カツのトマトソースかけ、パンプキンハロウィンサラダ、コロコロかぶスープ、リンゴのコンポート
たんぱく質コントロール食では肉の部位を脂身の多い肉に変更したり、低たんぱく米などの治療用特殊食品を活用するなどの工夫をしました。
【切裁・盛り付けの様子】
【栄養指導の様子】
Bクラス:11月15日(水)テーマ「和食を楽しもう!11月24日は「和食の日」
Bクラスでは和食の展開食でした。魚の種類を変更したり、調理方法を工夫することでエネルギーやたんぱく質をコントロールしました。
【一般食メニュー】ごはん、さばのねぎ味噌焼き、大根の含め煮、春雨サラダ、蒸し豆腐のすまし仕立て、みかん
【エネルギーコントロール食】ごはん、たらのねぎ味噌焼き、大根の含め煮、春雨サラダ、蒸し豆腐のすまし仕立て、みかん
【たんぱく質コントロール食】低たんぱくごはん、さばのねぎ味噌あんかけ、大根の含め煮、春雨サラダ、蒸し豆腐のすまし仕立て、みかん
【調理の様子】
【栄養指導の様子】
次回はクリスマス、おせちの行事食がテーマです。
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後期 給食経営管理実習①(事業所弁当給食)
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11月4日(土)に、管理栄養学科3年生が、腎臓病の患者さんと交流を行いました。
この交流会は、以前は料理教室として開催されていましたが、コロナ禍で数年間中止となっていました。今年は交流会という新しい形で実現することができました。
始めに、学生が調理した腎臓病食の発表を行いました。腎臓病食の調理を行っての気づきや、実際に食べての気づきが多く発表されました。学生の気づきに対して、先生・患者さんからご意見やアドバイスをいただき、更に学びを深めることができました。
(発表の様子)
交流会の後半では、患者さん1人に対して学生5~8名が1グループとなり、お話を聞いたり、日々の生活や管理栄養士に求めること等について質問をさせていただきました。多くのことをお話いただき、学生にとって貴重な体験となりました。
会は終始和やかな様子で、学生からは「患者さんが、どうやったら制限の中でおいしくなるか、また、時短や楽をできるかをご自身で研究され、皆さん自分なりのやり方があって、工夫されていてすごいなと思いました。」「すべては工夫次第であるため、働く上で対象者に寄り添うことはもちろんのこと、全力でその人に向き合っていくことが大切だと学びました。」といった感想が寄せられました。
最後に、小田内科クリニック 管理栄養士の髙橋輝美子先生より、まとめの言葉をいただきました。臨床現場で患者さんに寄り添い働いておられる先生のお話、そして患者さんとの交流を経て、学生の理解も深まり、多くの気づきを得ることができたようです。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
3年生は、間もなく来年春の病院実習に向けた準備が始まります。今回の気づきを忘れず、患者さんに寄り添った栄養・食事管理のできる管理栄養士をめざしましょう。