人文学部 日本文化学科 ニュース

昨年度から、日本文化学科教職課程の4年生は、自主的に教員採用試験の合格を目指しての学習会を続けてきました。
4月21日(水)午後開催の4月例会には、初めて3年生も加わり、学年の枠を越えた学習会となりました。2月、3月とオンライン開催でしたので、4年生にとっても教員を目指す者が久しぶりに集まっての学びの場です。

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今回の内容は、2019年度広島県・広島市教員採用試験の「教科に関する専門教育科目」についての解説と意見交流です。参加者の声の一端をご紹介します。

○初めて過去問を解き、とても難しく感じた。高校で学んだことを忘れていることが多かったので、毎日、勉強することが必要だと思った。(3年生)
○字数制限のない問題や、指導に関する問題など、初めてでどう解答すべきか分からない問題もありましたが、解説や解き方を聞くことで、勉強になりました。問題の形式に慣れながら、より正確に答えられるようになりたいです。(3年生)


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○他学年との合同の勉強会は初めての試みだったが、よい意味での緊張感があり、非常に有意義な時間であったと感じた。また、問題を解き、どのように解説するか考えるだけでなく、自身の日頃の勉強法について客観的にとらえ、反省点の発見につなげることもできた。(4年生)


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コロナウイルス感染拡大で、5月例会はまたオンライン開催になりますが、学びを続けて継続的に交流し、互いに刺激し合いながら、教員採用試験合格を目指して頑張っていきましょう。

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人文学入門は、国際英語学科と日本文化学科の1年生が一堂に集う、両学科教員によるオムニバス授業です。身近な動物やアニメキャラクター、郷土文化などを通して、人文学という学問の内容と方法を理解していきます。

「アンパンと正義」の授業では、多くの人が幼い頃に親しんだ「アンパンマン(実は、最初はあんぱんまん)」を通して考えました。

「アンパンマン」と聞くと、バイキンマンやドキンちゃんを同時に思い浮かべる方も少なくないでしょう。

けれど、最初の絵本『あんぱんまん』(1973)には、バイキンマンやドキンちゃんは登場しません。「あんぱんまん」は、アンパンチを繰り出すこともなく、自らの顔を差し出し、食べてもらうことで、飢えに苦しんでいる旅人や道に迷った子どもを助けていきます。この行為は、飢えがいちばん辛かったという作者のやなせたかしさん自身の戦争体験に根ざしています。また、作者のやなせさんが、当初はバイキンマンのような仇役をつくりたくないと考えていたという逸話も残っています。

やなせさんは、「正義」について「けっしてかっこいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくもの」と『あんぱんまん』 のあとがきで語っています。また、『わたしが正義について語るなら』(2013) という本では、 「正義でいばっているやつは嘘くさい」とも書いています。

ともすれば、自分の「正義」のみを振りかざして、他者を攻撃したり、排斥したりといった出来事が目立つ昨今だけに、今一度「正義」を疑い、「正義」について共に考えたいと考えてこの授業を行いました。
 

受講生のみなさんの感想の一端をご紹介します。

○今日の講義を通して、「正義」について考えた。アニメやマンガ、日常生活の中では、「正義は勝つ」とよく言われる。果たして、「正義」は、何に勝つのだろう。その対象は、自分にとって不利益な人、嫌いな人かもしれない。

○「正義」を振りかざすとそれは悪になると聞いたことがあります。一方にとっての「正義」は、もう一方にとっても「正義」であるかは分からないし、「正義」の押しつけや強要も方法によっては「正義」ではなくなると思います。

○誰かにとっては紛れもない「正義」であることが、実は見えない誰かを傷つけていることだってあるかもしれません。物事には何でも裏と表がありますが、「正義」も例外ではないんだということを自覚しなければならないと思います。

○私は、最初にアメリカのウエスタン(西部劇)を思い浮かべました。先住民を敵にして戦っていくという「正義」を今の時代になって考えると、対立するものをつくって勝つことで、仲間と自分以外を分けたかったのか、人間はそういう考えを持っているけれど、そうではなくて、アンパンマンのような優しさを持つことなんだと思いました。

○私は、「正義」とは、かっこよくてさわやかな感じがしていたのですが、あらためて「正義」とはどういうものか考えさせられました。私は「正義」とは、自分が犠牲になって誰かの笑顔のために頑張ることなのかなと思いました。それは少しかっこ悪い感じもするけれど、私はそういうことができる人がかっこいいなと思いました。

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2年ぶりの開催がかなったオリエンテーションキャンプ(通称オリキャン)は、リーダーたちのはじけるような笑顔で、始まりました。

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最初のプログラムは、学科紹介・先生紹介の「先生クイズ」です。

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初めて買った漫画、学生時代の部活動、結婚披露宴での名演奏などのとっておきのエピソードとともに、平家物語や芥川龍之介にまつわるちょっと深いお話もあり、教員の人柄と日本文化学科の学びの一端を知ってもらうためのいい機会になったのではと思います。

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外レクは、風船運びと玉入れ、共に身体を動かしながらのいい交流の時間になりました。

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以前のオリキャンのようなハードな運動でなかったところに、高齢化のすすみつつある(?)教員への思いやりを感じたのは私だけではないようでした。

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先生レクもあやめレクも工夫がいっぱいでした。

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表彰式も楽しく盛り上がりましたね。

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プログラムが進むにつれて、朝はまだ緊張の感じられた新入生のみなさんの表情が和らぎ、いい空気ができつつあるのを肌で感じることができました。
コロナ禍の中、様々な制約と準備、進行上の配慮が求められる中、こんなに素晴らしいオリキャンを作り上げてくださった、オリキャンリーダーのみなさんへの感謝の思いでいっぱいです。本当にありがとう!

新入生のみなさん、仲間とともに様々な手づくりの活動を創り上げられるのが、広島女学院大学の特色の一つです。4年間のかけがえのない時間です。ぜひ様々なことに積極的に取り組んでほしいと願っています。

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