人文学部 日本文化学科 ニュース

6月26日、日本文化学科地域文化交流委員会は、県民文化センターで広島神楽定期公演鑑賞会を実施しました。

県民文化センターには、「人文学入門」受講生の「神楽を次代に伝えていくための提言」をお伝えしており、この日もたいへん温かく迎えてくださいました。

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当日は、北広島町の今吉田神楽団による山姥と葛城山の上演があり、華麗な舞いと楽の調べを堪能しました。

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上演後は、貴重な神楽衣装も着せていただき、その重みを感じることもできました。

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私たちは、この日の鑑賞会をふまえ、7月1日の放課後に、神楽の魅力についての座談会を持ちました。 「今回、初めて目の前で神楽を見ました」という Aさんは、次のように語っています。

映像とは比べものにならないほどの迫力で、一気に物語に引き込まれていきました。大太鼓、小太鼓、手打ち鉦、笛で、その物語の雰囲気をつくり、演者の舞いで一つの物語を完成させていく。舞台から熱気を感じました。また、会場にいる私たちがまるで物語に入り込んでしまったのではないかと思わせる、そんな空気を感じました。

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まさに、伝統文化を「体感」しての感想だと思います。まだ神楽の舞台を直接には見たことのない多くの若い人みなさんに、ぜひお祭りや公演に足を運んでほしいと思いました。

神楽を見るのは2回目というBさんも、「同じ場にいる人の心が一つになっているような感覚になる」と言い、さらに次のように述べています。

神楽は、神楽団と観客を繋ぎ、観客と観客を繋ぐ。その瞬間、私はいつも感動と喜びを皆で共有しているようで嬉しくなる。神楽は人と人を結び、繋げる力がある。さらに、日本の神話や伝統を知り、興味を持つことができるのも神楽の魅力である。

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また、「大学生になって、本格的に神楽を見たと感じた」というCさんは、衣装に着目して、次のように神楽の魅力を語りました。

一番に思い浮かんだのは、華やかな衣装だった。舞う度に衣装がひらひらと動いている様子を見ていると、とても惹きつけられる。衣装の早着換えも素晴らしいと思った。何度か変化したが、いつの間にか柄が変わっており、驚いた。

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「終了後に衣装を着ることができ」たことも、Cさんにとって「とても嬉しい」体験だったようで、神楽を「より身近に感じ」ることができたそうです。

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Dさんは、神楽団で長く活動を続けています。Dさんは、衣装について次のように言います。

神楽団や舞手の人は、衣装にこだわりを持っていることが多い。衣装には、役柄を表す役割がある。例えば、ある演目に楠木正成が登場するとき、楠木の紋章が刺繍された衣装を身につける。他にも一つ一つの刺繍や衣装の色を見ることも面白い。姫の衣装には蝶が刺繍してあったり、鬼の衣装には龍や虎の刺繍がしてあったりする。神楽の衣装は、色とりどりで、金色の中に黒や赤が入っていると、かっこいいと私は思う。

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Dさんは、また、神楽は、「「舞」、「楽」、「飾り」の三つからなる総合芸術」とまとめています。

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鑑賞と話し合いを通し、私たちは神楽の魅力についてより深く考えることができたように思います。さらに神楽にふれ、伝統文化に考える機会を重ね、これからも発信を続けていきたいと思います。 また、日本文化学科では、夏のオープンセミナーでも神楽の魅力にふれる場を設定しています。セミナー「踊ってみよう田楽!ふれてみよう神楽!~日本の伝統文化~」では、体験を通して伝統文化の魅力を体感し、その継承について考えます。高校生のみなさんのお越しをお待ちしています。

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6月16日、雨上がりの日曜日。私たちは、色鮮やかな紫陽花の花とともに、ご来場の皆様をお迎えすることができました。お足元のよくない中、本学においでくださった皆様に心よりお礼申し上げます。

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足立直子学科長の学科紹介では、まず本学科の3つの学びの特色をお伝えしました。

1 社会とつながる言葉の力を高める。

2 日本文化を理解し、世界へ発信する力を育てる。

3 主体的に社会へ参画する力を高める。

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つながる」、「発信する」、「参画する」、このキーワードを具現化する授業科目についてもご紹介しました。現役のアナウンサーから直接、指導を受けられる「日本語コミュニケーション技法Ⅰ」、日本文化を世界に発信する力を高める「日本を伝える英語Ⅰ・Ⅱ」、神楽や田楽などの広島の地域文化を学び、地域社会と関わる「地域文化連携セミナー」など、少人数の学科ならではの授業の内容を知っていただけたのではと思います。

続いて、卒業生の松浦なぎささん(三菱UFJ信託銀行)から、昨年に引き続き、大学で何を学んだか、それが社会に出てからどのように役立ったかについて、具体的にお話しいただきました。

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松浦さんは、大学時代、語学、文学、美術と幅広い分野に興味を持ち、「おもしろそうなものは、何でもやってみる」という姿勢で様々なことに取り組まれたそうです。そんな学生時代に培った幅広い分野に応用できるコミュニケーション能力が、社会に出てからたいへん役立っているとのことでした。お話をうかがいながら、言葉でつながり、言葉で発信し、言葉の力を基盤に社会に参画していくことの大切さを確認することができたように思います。

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お話の後、松浦さんは、司会の学生スタッフからの問いにも、的確に答えてくださいました。

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午後は、日本の伝統文化である組み紐を作っていただきました。折り紙コーナーも設けました。琴の音のBGMを聴きながら、日本文化にひたっていただけたのではないかと思います。

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留学生のスタッフも、海外ご出身の来場者の方と共に日本文化を体験しながら、良いつながりの時間を過ごしていました。

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次の写真は、来てくださった生徒さんの作品です。

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素敵な仕上がりですね。

次回のオープンキャンパスは、7月7日、中国の文化を取り入れ、それを日本文化の中で育んできた「七夕」の日の開催です。 この日の学科イベントでは、学科紹介に続き、学生たちが、早乙女の衣装を身につけて花田植に参加しそこから学んだことを、自身の言葉でお伝えします。

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また、午後の体験コーナーは、和綴じ本づくりを通して、伝統にふれ、本の魅力を楽しんでいただける場にしたいと考えています。 皆様のご来場を、お待ちいたしております。                       

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日本文化学科の学びでは、地域の伝統文化に目を向け、その価値と、伝統文化をとりまく状況、次代に伝えていくために何ができるかを考えています。 人文学入門の授業では、神楽に着目し、国際英語学科のみなさんと共に考え、提言をレポートにまとめました。 その一端にふれながら、私たちの大切な地域文化をいかに守り伝えていくかについて考えたいと思います。

愛媛から広島に来て、初めて神楽を見たというAさんは、次のように書いています。

第一部は舞台から遠い席に座り、全体の動きを見た。華やかに響く太鼓と笛の音。軽やかで美しい舞い。迫力があり、夢中になって、食い入るように見た。その後の第二部は最前列で神楽を見た。演者の息づかいが聞こえてきそうなほど舞台と距離が近く、緊迫感と熱気を感じた、気持ちが高ぶり、涙がこぼれた。広島に来て本当によかった。何回でも見に行きたい、と思わせてくれる公演で、私はこの日、神楽が好きになった。周りには、目を輝かせながら神楽を見るおばあさん。太鼓の動きに合わせて嬉しそうに手を叩くおじいさん。顔を見合わせ、微笑み合う親子。ああ、神楽にはこんなに大きな力があるのだと実感し、次代に繋げていかなくてはもったいないと強く思った。

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こう語るAさんは、「様々な人に神楽を見てもらうことが重要」とし、「神楽を知っている私たちが、多くの人に神楽の魅力を語」り、SNSでの情報発信をしていくことも効果的だとしています。さらに「商店街や駅の床絵、壁絵を神楽の絵にすると観光客にアピールできる」と提案しています。

学校での文化教育の大切さについて述べるBさんは、授業で神楽を扱うこと、クラブやサークルを開くこと、地域の文化センターと連携しての見学会や専門家の話を聴く会の開催を提言し、その上で次のように言います。

いちばん大事なのは、人に伝える前に、私たち一人ひとりが「神楽」を愛することだ。なぜなら、人間は自分の好きな物事に対して十分な関心を持ち、それがなくならないように守るからだ。自発的に何かのイベントでチラシや資料を配付したりして積極的に活動する。自分が十分理解した上で、友達を誘って一緒に「神楽」を見たりして共に楽しんでいく。こうすれば、自分の周りに同じ「神楽」のファンがどんどん広がっていくだろう。

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また、Cさんは、「神楽を伝承していくためには、本来の形にとらわれすぎないことが重要」とし、次のように書いています。

例えば、和太鼓や三味線は現在、ロックと融合させた演奏も行われている。実際に注目を集めて熱い盛り上がりを見せている。神楽にも、若い世代が興味を持つような魅せ方をしたり、機会をつくったりする必要がある。私は、エンターテインメントと融合させることを提案する。衣装や音楽をより色彩鮮やかで華やかにしたり、新しい演目を作ったりなどがある。

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日本文化学科には、神楽団に所属して活動している人たちもいます。Dさんは、若手の育成の大切さを述べ、機会を与えて「若手に挑戦させる」ことと共に「いろいろな角度から撮ったビデオを残すこと」の必要性について次のように書いています。

今まで舞っていた人の引退や団員不足で舞えなくなった演目を、口伝えだけでなく形に残すことが大切だと考えたからだ。一度やらなくなった演目を復活させることは難しい。ビデオに残すことで、復活させようとしたときに次の世代の人が見ることができる。

これは大学も積極的に関わるべきことだと感じています。Dさんは提言の結びに「若手の一員として、しっかりベテランの人に教えてもらえることを吸収したいと思う」と結んでいます。

同じく神楽団に所属して活動を続けているEさんは、女性の参画を次のように訴えています。

神楽は、女性でも舞えるようにすべきだ。私は、現在、神楽に携わっている。舞台上で横笛を吹いている。申し込んだ際に、「女だから」という理由で舞うのを断られた。人手不足が問題となっている昨今、性別に拘っている場合ではない。伝承を受け継ぐには次代に適合していく必要があるはずだ。

その上でEさんも、「私は次代へと受け継がれるように、自分にできることを一つずつ実行・提案していこうと思う」と力強く結んでいます。

広島の伝統文化への若い世代の思いを受け止め、日本文化学科でも、今、できることに一つ一つ丁寧に取り組んでいきたいと考えています。

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