人間生活学部 生活デザイン学科 ニュース

インテリア・住居・建築領域アーカイブ

2018年度から本学科建築士課程の学生が基本設計に関わってきましたトータテとの産学連携プロジェクト「まちのコミュニティハウスプロジェクト」。
以前、学科ニュースでは、地鎮祭の様子をお伝えしましたが、今年5月についに竣工を迎え、本学科建築士課程の学生向けに見学会が開催されました。

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東側広場から見るコミュニティハウス←←←クリックすると動画にリンクします

見学会ではメインとなるコミュニティハウスの他に、周辺に建設された分譲住宅や賃貸住宅も内部まで見学でき、それぞれの特徴や違いを学ぶことができました。
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説明を聞く学生たち

また、今回の見学会に先立ち、昨年11月、12月に建設途中のコミュニティハウスを見学しました。今回の完成見学会とあわせて、建築物がどのように完成していくのか、建設過程を自分の目で確かめることができる良い機会となりました。

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工事現場の見学会の様子

見学会に参加した学生に感想を聞いてみました。
「去年11月に工事中の見学会に参加し、その時は柱や梁しかありませんでしたが、現在は仕上げがどのようになっているか気になっていました。実際に完成した住宅を見てみると、以前の様子とは全く違っていて、おもしろいなと思いました。また、とても印象的だったのは、分譲住宅の間にある『フットパス』です。歩くことを楽しむための道といわれる『フットパス』があることで、近所の人と交流できる空間をつくっていました。人と交流できる空間づくりは庭をつくる以外にも様々な方法があることを知りました。」(Sさん)

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フットパスを歩く学生たち

「賃貸住宅の部屋は、通常は『101号室』と呼びますが、『クスノキ』や『ネズ』など木の名前が部屋の名前として使われていることに驚きました。木を基調とした作りだけでなく、室名からも木を大切にしていることが伝わってきました。建築の工事中から完成まで、そして設計者の話を聞ける機会も滅多にないので、今回参加できて良かったです。そして、このような見学会が他にもあれば、積極的に参加したいと思いました。」(Mさん)

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広場で説明を聞く学生

「近所に住んでいたため、親しみのある場所が変わってしまい、工事中も敷地内に入ることすらできず、少し寂しく感じていました。しかし、こうして見学会に参加し、設計者やこのプロジェクトに参加した方々の思いを知り、これからは違う形で、この場所でまた皆で遊びたいと思いました。」(Oさん)

建築士課程の2年生は、現在「住居・建築設計実習Ⅱ」で2階建て住宅の設計に取り組んでいます。図面上では分からないことを、実際に建物を見て理解し、自分の今後の設計実習に生かしたいという感想もありました。実習や講義だけでは分からないリアルな建築体験ができる貴重な時間でした。

(実習アシスタント 安藤)

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桜咲く3月20日、広島女学院大学では春のオープンキャンパスを開催しました。生活デザイン学科では学科紹介、2022年度総合型選抜入試(オープンセミナー入試、自己アピール入試)の説明のほか、学生作品や地域連携事業の成果物、授業で使う資料など展示物盛りだくさんで皆さんをお迎えしました。

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外出がなかなか難しい現状で、足を運べなかった方もおられると思うので、こちらでも紹介をしたいと思います。

「生活プロデュース領域」の展示は、国家資格でもある教員免許取得に向けてのプロセスや学科での取り組みが分かるパネル、学生が考えた指導案の展示をしました。

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「ファッションデザイン領域」の展示では、実習授業で作成した課題作品やファッションショーの衣装を展示しました。真ん中から右の3作品は、当日担当してくれた学生が作成したブラウス、タイトスカート、ワンピース、ジャケットです。また、ファッションショーの衣装はこちらからも見ることができます。

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「インテリア・住居・建築領域」の展示作品は1年生の実習課題から卒業設計まで学びの軌跡が分かるものとなっています。インテリア空間をデザインしたものや住居の模型、公共の建物の模型など様々です。

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「地域デザイン領域」ではグローバルフィールドワーク、グローカルフィールドワークの報告パネルや授業で使用する実物資料などが展示されていました。参加した学生の様子がよく分かる資料がたくさんあります。

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地域連携事業での成果物も多様に展示されています。2021年度も色々な産学連携事業が企画されているので、少しずつこちらの展示物も変化していきます。

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教員の説明ばかりではなく、当日担当した学生に取り組んだ時の思いや得た力などを紹介してもらいました。デザインの課題や取り組みを通して、「伝える力」を育んでいく様子が伝わるでしょうか?

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このように、生活デザイン学科のオープンキャンパスでは、在学生の作品展示も多く、また、在学生と話すチャンスもあるので、リアルな学科の学び、そして大学生活についての情報を得ることができます!

また、学科をもっとよく知りたい人は、8月に行われるオープンセミナーがありますので、ぜひ受講ください。実際の授業に近い形で行っており、在学生との交流があるものもあります。

次は夏のオープンキャンパスですね!6月20日、7月4、18日、8月1、22日の5回を予定しています。皆さんのお越しをお待ちしています!

※2022年度入試については、順次お知らせするので、大学HPをぜひご覧ください。

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インテリア・住居・建築領域

毎年、本学図書館フリースペースで開催している卒業設計展では、学生たちの作品を展示し、多くの方にご高覧頂いておりましたが、今年度は新型コロナウイルスの影響のため、学生の健康と安全に配慮し、中止となりました。しかし、旧日本銀行広島支店において2021年3月10日(水)、12日(金)~13日(土)まで行われていた広島平和祈念卒業設計展に本学の生活デザイン・建築学科建築士課程の4年生が卒業設計を出展することができました。出展した時の様子や作品をどうぞご覧ください。

「広島平和祈念卒業設計展2021」は近畿大学、広島工業大学、広島女学院大学、広島大学、福山大学、安田女子大学、山口大学(50音順)と、招待校の穴吹デザイン専門学校、岡山県立大学、岡山理科大学、呉工業高等専門学校、島根大学、徳山工業高等専門学校、米子工業高等専門学校(50音順)の卒業設計から構成される展覧会です。中国・四国エリアで卒業設計に取り組んだ学生たちにとっては、学生生活最後の大イベントです。

また、出展作品と審査会の様子を収録した作品集『ヒロシマソツケイ』が毎年出版されています。出版されましたら、書店等で手に取ってご覧になってください。

seidesotukei01.jpg「結ぶ ー新たな徳山港ポートビル計画ー」 多田千尋

山口県周南市築港町、徳山駅に近接する徳山港フェリーターミナル。休憩スペースの整備やポートビル外観の印象改善、また、徳山駅と近接しているという特賞を生かし切れておらず人の行き来がない状況を変える工夫などが求められている。徳山駅と徳山港を結ぶ計画をし、足を運んでみたくなるような場所づくりを考える。ポートビルを、船を利用するという目的以外でも気軽に利用でき、また徳山駅と徳山港を利用する人が立ち寄り、徳山について知ってもらうきっかけとなる場所となることを目的とし計画を行った。工業が盛んであることや水素製造量が日本でトップクラスであること、工場夜景の要素などをポートビルに取り入れ計画した。

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波及 ー波うつ街の新たな拡がりー」 川本咲世

波及、物事の影響が徐々に広がること。その影響は人を介しても波のように広がっていくのではないか。呉市は1886年に第2海軍区鎮守府に設定され、開庁からは海軍の影響を多く受け形成された場所である。そんな歴史的背景のある街から生まれた生業は「ものづくり業」であり、働く人々を支えてきたものは「食」である。呉の食文化を体感できる市場的要素を持った施設を作ることで、働く人々はもちろん、海軍の街・呉の歴史を伝えている生業「観光業」の問題である、1日観光の街、他エリアへの移動率の低さという2つの問題も、同時に波のように影響して解決していく。

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「緑とともに暮らす ー高齢者福祉施設と保育所の複合ー」 住田奈月

近年は大雨や台風の影響で高齢者施設などが浸水する被害が多くみられることから地盤の高い場所を敷地として高齢者福祉施設と保育所の複合を提案する。場所は江波とする。江波は山があり自然に溢れているが敷地場所は人工的な作りになっている。このことから山との一体化させた建築を計画する。5年後、15年後、30年後と表現して屋外や室内にいても緑とともに暮らせ、自然に溢れるような建物とする。敷地場所は景色が良く眺めが良いため、景色が良く1番高い場所を老人の空間、2番目に景色が良い所を子どもの空間、後ろから守れる場所を管理部門としている。

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「わたしたちの家 -地域に広がる中学校-」 井上千夏

敷地は、広島県安芸高田市河田町上小原にある旧安芸高田市立小田小学校とその周辺の田畑跡地である。田舎ならではの広い斜面の敷地に、ゆとりのある分党式の低層校舎を配置した周囲の住宅や景色に馴染む中学校である。教室は、教科専用教室と、小さなクラススペースを配置した。分党にすることで移動が必須となり、教室に籠りがちな生徒も必然的に移動が活発になる。移動が増えることで、生徒同士が顔を合わせる機会が増え、交流も盛んになる。各教室(家)へ移動するための廊下は、屋外となっており、豊かな自然に触れる機会も増え、のびのびと過ごせることを望む。

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「海面 -上昇と浸食の測定器-」 長門実咲

海面上昇、海岸浸食は世界、日本へ大きな影響を及ぼすと考えられているにも関わらず、それを意識できる場が少ない。この事から、海面上昇、海岸浸食という短い期間ではなかなか意識することが難しい問題を視覚的に表すことで、必ず未来には起こりうる身近な問題である事を意識できる場があると良いのではないだろうか。子供の頃に宿泊施設を訪れ、時がたち、大人になって再度訪れる。10年、50年単位で訪れることにより、前回からの上昇、浸食の差を感じられる。宿泊施設にすることで、年数を重ねるごとに部屋の空間が変化する様子を、宿泊する度に感じる事ができ、その結果、海面の水位や砂浜の推移から身近な問題であることを意識できる場を目指した。

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「学びのパーク ―東広島市のため池災害跡地の再活用―」 近光真奈

本計画では、広島県東広島市黒瀬町にある乙池・大池・横池・丸池においてため池災害跡地を再活用し、「公園」の設計を行う。乙池・大池・横池・丸池は、2018年西日本豪雨災害で洪水・決壊被害に遭い、今後も豪雨により近隣住民の被害になり得るとし、ため池の機能を失った。この敷地を西日本豪雨災害で被害を受けたことやその教訓、ため池の現状について学ぶ場所にすることで、今後の災害に備え生かすことができるのではないかと考えた。そして、このまちの豊かな自然に触れることができる空間を提案する。

seidesotukei07.jpg「めぐる水源」 上総泰布

広島県東広島市西条町にある龍王山では山のグランドワークという、西条の環境保全のために、伐採など山の手入れをする活動が行われている。しかし、2007年ごろ約300人弱いた山のグランドワーク参加者も2017年の活動では約150人と人数が減っている。そこで、龍王山に来る人口を増やし、山のグランドワーク参加者を増やすこと、西条の水質を保つことを目的に近年流行りのキャンプに力を入れて山のグランドワークに参加する人などが、くり返しキャンプ地をめぐることと、水源から酒などの加工品、人体、海、雲、雨になり山にめぐり帰る建築にする。

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「地域の玄関 ~瀬野駅の活性化計画~」 後藤珠梨

駅は、通勤・通学や外出するときなどに利用され、その地域の出入口にもなる。また、さまさまざまな人が利用し訪れる場所となる。本計画では、選定敷地を広島市にある瀬野駅と駅周辺にある福祉センターとし、そこで人と人の繋がりが増えていけるような提案をする。人の繋がりが増える場所として、駅の屋上と福祉センターに設けた図書スペースである。屋上では、子供たちが走り回ったり、ちょっとした散歩コース。図書スペースでは、本を読みたい人や、電車やバスの待ち時間に立ち寄ったりとさまざまな理由で利用することができ、新たな人との繋がりを期待している。

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「檸檬路 ‐レモン島の持続可能性‐」 小川円香

私たちの住むまちの10年後、50年後を想像したことはあるだろうか。
現在、日本の地方都市の多くでは様々な問題を抱えており、消滅可能性都市と呼ばれる。大切なまちの大切な景色を、いつまでも語り継いでいくために、景色と人々を紡ぐ。本設計では、レモンの島・サイクリングの島 広島県尾道市生口島のさらなる発展と島としての持続可能性を考え、観光客と住民の交流拠点となる複合施設を提案する。柑橘農業とサイクリングの施設を併設することにより、農業・サイクリング・観光等の複合的な新たなコミュニティの形成を目指す計画である。

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「ここであそぼう ~福岡県北九州市小倉北区浅野地域(小倉港地域)にかんがえる施設~」 平川あゆみ

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「お母さんにしてくれて、ありがとう。 ― 閉ざされた育児から解放される集合住宅 ―」 宮田洋子

それまでは、自分のことが一番大切だった私がお母さんになった。ハイヒールにスカートから、スニーカーにTシャツの毎日になった。子供と過ごす毎日は楽しい反面、1人の命を預かる責任感や、「いいお母さん」でいなければならないという世間の視線に、体力的にも精神的にも追い詰められていた。おもちゃの散らかった小さな集合住宅の窓から見た外の世界はとても自由に見え、コンクリートの壁は外と隔離する檻のように感じた。育児に対する孤独感や不安感を取り除こうと考えた時、建築には何ができるだろうか。その場所で過ごすことで、リラックスして子供と過ごすことができ、「お母さんにしてくれて、ありがとう。」と子供に感謝できる集合住宅を目指した。

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※生活デザイン・建築学科(2018年度入学生より生活デザイン学科)は、中国・四国地方で唯一、実務期間最短2年で一級建築士試験受験資格が取得できる女子大学です。インテリアデザイン関係の授業も充実し、インテリアコーディネーターほかのインテリア関係諸資格については、在学中の合格をめざせます!

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